【金曜日のしかけ#3】すごい委員会制度
すみません!「日刊7秒しかけ」なのですが
毎週金曜日は「7秒しかけ」ではなく、フツーの会社の「すごいしかけ」を紹介します。
フツーの会社の「すごいしかけ」とは、GoogleやAmazon等の一流企業が実践しているしかけではなく、隣の優良な中小ベンチャー企業にしかけ研究家白潟がインタビューさせてもらい発見したしかけです。
第3弾の「すごいしかけ」は「すごい委員会制度」です。
全社的な課題解決の推進には様々な方法があります。
・ 課題解決に関連する部門が推進
・ 課題解決を専門に担当する部門を新たに設置し推進
・ 社長直結の部門(例:社長室)が推進
・ プロジェクト・委員会を発足し推進
今回紹介する「すごいしかけ」は、委員会で会社の課題解決を推進し成功させているしかけです。
『白潟さん、委員会活動による解決ってあまり成功するイメージないんですけど・・・』
そうですよね、私も全く同感です。
ただ、今回のしかけは委員会活動で全社の課題を解決してるんです!
『へー!成功のコツはなんですか?』
はい、成功のコツは次の6つです。
① 3カ月で活動を終わらせる
② 課題解決したい熱意あふれる社員に委員長をやってもらう(社内公募)
③ 課題解決できるアイデア・スキルを持っている、熱意あるメンバーを委員長が集める(社内リクルート)
④ メンバーは委員長含め5人まで
⑤ 顧問をつけることができる(顧問は経営幹部が多い)
⑥ 委員長・メンバーには手当がつく
『へー!トップダウンによる推進ではないんですね!』
いい着眼ですね!そうなんです。
私が過去にみた失敗している委員会は、ほとんどが社長や経営陣が委員長とメンバーを決め推進していました。
委員長を社員から募集・選定し、課題解決したい熱意があふれている社員を委員長にする方法は極めてユニークであり効果的です。
さらに、課題解決できそうなメンバーを委員長が集め委員会を組織化する方法は斬新です。委員長に人望やメンバーのスキルを把握し、口説く力が必要になります。
それでは、詳しく紹介していきます。
1 すごい委員会制度の内容
「すごい委員会制度」の概要を示します。
① ねらい
・ 課題解決の実効性を高める
全社ベースの変革にはパワーが必要ですし成功確率も高くないです。
課題解決に熱意あふれる社員を委員長・メンバーにし、少数の委員会で活動させることで少ないパワーで小さな成功が得られます。
・ リーダーシップ・チ-ムビルディング力の育成
委員長になった人は、メンバー選定から口説き、委員会の組織づくり、メンバーのマネジメントを経験させることができます。
・ 失敗時のリスク低減
全社ベースの変革は失敗するリスクも高いです。委員会という5人の組織でパイロット的にチャレンジすることで、万が一失敗した時のリスクを低減できます。
② 活動期間
・ 3ヵ月、期間延長はなし
・ 終了後は関連する部門へ変革を移管する
(例:採用であれば人事部へ移管)
③ 人 数
・ 委員長、副委員長、メンバー3人までの合計5人
・ 顧問を1人選定できる
課題解決テーマに知見のあるベテランや幹部が顧問になることが多い
メンバー数が6人以上になると、メンバーがもっている力の半分以下しか発揮しないリンゲルマン効果がでてしまい委員会の生産性が低下します。
リンゲルマン効果を参考にすれば、2人(93%)3人(85%)の方がひとり当たりの生産性は向上します。ただ、2人から3人だと委員会の全体活動量が増えません。
解決策のアイデアを考える時にも3人よりか4人・5人いたほうがたくさんのアイデアがでるでしょう。5人までという人数制限は最適な設定だと評価できます。
④ 毎月の手当(3ヵ月間支給)
・ 委員長3万円、副委員長1万円、メンバー5千円
⑤ 活動時間
・ 業務時間外での活動がベース(残業代支給)
⑥ 今までの委員会活動テーマ
・ リブランディング、エンジニア採用、情報共有
・ チャットGPT、Notion
・ 社内勉強会、新人教育、社員旅行
2 このしかけのすごいところ
このしかけのすいごいところは次の3つです。
① 3カ月という短期間で改革させる
全社の課題を解決するための極めて重要なポイントは「小さな成功から大成功へつなげること」です。
委員会の活動期間を1年間に設定すると大成功をねらった活動をしがちですが、3ヵ月しかないとそのような発想にはなりにくいです。
3カ月での成功をゴールにすると自ずと小さな成功をねらうしかなくなります。期間を3ヵ月にすることは実効性の高い方法だと評価できます。
② 若いうちから幹部育成ができる
社内公募制度でプロジェクトリーダーや委員長を募集し課題解決する会社はありますが、委員長にメンバーを集めさせてる会社は少ないと思います。
メンバーが集まらなければ委員会は成立しないので解散です。
そのプレッシャーを感じながら、スキルあるメンバーを探し口説く経験は貴重です。
自分に人望がなければ集まらないし、スキルの低いメンバーばかり集めたら委員会が成功しません。人間力と社内メンバーの観察力・スキル評価力・口説く力が身につきます。
直属の部下でない4人のメンバーをマネジメントしながらゴールに向け引っ張っていくことは、極めてチャレンジングなリーダー業務になります。その経験を通じリーダーシップ・マネジメント力が習得できます。
委員長を経験させることは、将来の経営幹部を育成することにつながります。若いうちからの幹部育成はやりたくてもできないことが多いですが、この方法ならそれが可能になります。
③ 顧問から学べる
委員長は課題解決に専門性をもった経営幹部を顧問に選び、顧問がもっている経験やノウハウを委員会活動を通じ学べます。
自分の上司から学ぶことはできますが、他部門の上司からも学べるこのしかけは有効です。
3 自社に導入する際の工夫
すごいしかけ「すごい委員会制度」はいかがでしたでしょうか? 気に入って頂けたら、ぜひ皆さんの会社で導入してください。
ただ、自社に導入する際は次の点に留意した方がいいでしょう。
・ 熱意あふれる社員でなく、やりたい・興味ある社員を委員長に選んでもよい
・ メンバーは5人が理想ですが4人~6人でもよい
・ 初めの段階は、難易度の低いテーマから始めてもよい
・ 委員長にメンバーを集めさせるのではなく、メンバーも公募にしてもよい
・ 手当の金額は、自社の事情に合わせ設定してよい
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すごいしかけ「すごい委員会制度」を実践されている会社は、本社が東京新橋にある、日本と世界をつなぐ、新たな「コネクト」を創り出すクリエイティブ・カンパニー株式会社コネクター・ジャパン様です!
笑顔がとても魅力的な中濱社長が経営されておられる会社です。
現在、3つの事業を展開されています。
今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。
それでは、また来週!
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