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一般ヲタクが「すずめの戸締まり」を見に行った結果

総括するとものすんごく良かった。まじで良かった。

公式HPの注意書きにあるように頻繁に地震速報が流れるような描写や3.11を彷彿とさせる描写があるため、パニックになりそうな人は映画館での視聴は非推奨です。
本当に何度もそういう描写があります。

今回すずめを見に行った私→一介の関係性オタク。3Lすべていける。(スト担ではないが)ジャニオタかつ普通にアニオタ。新海誠監督作品は全部劇場で見てる。

今回、事前情報はあらすじと性癖を狂わせてくる男が二人も出てくるっていうことのみで、あとは主題歌をMステで聴いたくらいでした。事前情報を何も見ずに行った方がいいらしいというのをTwitterで見たためです。

結果。性癖がぐっちゃぐちゃになった。

視聴後、どうしてこうなったんだろう…どうして…どうして…とガチで呟いてしまった。それくらい性癖歪まされた。おい。新海誠監督。ありがとう。どうしてくれんだ。語彙力はもうない。

以下本編のネタバレを含むため、視聴後の閲覧を推奨します。
思い出したことをつらつら書いているので一応ストーリーに沿ってはいると思いますが、話が飛んだり前後したりします。

始まりの話

まず、新海誠監督作品の特徴である映像の綺麗さ。作品重ねていくごとにめちゃくちゃ綺麗になってって本当に好き。
星空が映った時点で鳥肌が立った。必死に歩く女の子と、その周りの廃墟がめちゃくちゃ美しく描かれている。本当に映像が綺麗。これぞ新海誠。
そうして、必死に歩くちいさな女の子の姿。まだこの時点では誰かわからないけれど、目が覚めたときにこれが本作の主人公、すずめちゃんであることがわかる。この演出が粋すぎるんだよな〜!!!!!!!
すずめちゃん、冒頭はなんで標準語なのかよくわからなかったけど、生まれが東北だからだったからなんだよな…12年三重にいても方言が移らないの不思議だな…(そこは気にするな)

初対面のシーン

あのですね〜すずめちゃんと草太さんの初対面のシーンやばいんですよ。まじでお前本当にやってくれるな…て感じのイケメン度で描かれてる。ここでみんな草太さんに落ちてるだろ。知ってるよ。私も落ちた。すずめちゃんも落ちた。ただ初対面の高校生に「ここらへんに廃墟ってあります?」て聞くのはただの不審者なんだよな。白衣の長髪のイケメンが「廃墟どこですか?」て聞いてきたらそりゃ反射的に答えるだろうけどさあ。不審者なんだよな。でも好きになっちゃうな。好きになってるよもう。登校途中に追いかけちゃうすずめちゃんの気持ちわかりすぎてわかる。(わかる)(わかる)てなった。ちなみに無言で頷いてた。

ダイジンとすずめちゃんと草太さん

要石あらためネコのダイジン、すずめちゃんに要石から解放してもらってすずめちゃんに懐いてるのはわかる。かわいい。でもやってることは(草太さんのこと椅子に同化させてるから)邪悪ではあるよね。でも自分を役目から解放してくれて痩せてるネコがいたときに餌をくれた女の子がいたら好きになっちゃうよな…………………………………自分の役目がわかってるからこそ、閉じ師である草太さんの姿を変えちゃうんだからさ…

細かい作画

ミミズがでてきたとき、すずめちゃんと草太さんのハイライトの色が変わるのがめちゃくちゃ好きで好きで…あのいつも通りの日常を送るいろいろな街の中で、ふたりだけが地震の根源を知っている…みたいな演出がほんとうに、良かった………………………

すずめちゃんの優しさ

椅子の草太さんにもご飯買ってあげたり、布団かけてあげたりするすずめちゃん優しすぎてここでもう涙出てきたよね
胡散臭い男を家にあげて手当てしてあげて、そのうえ東北まで行くんだよ?本当に優しい。大好き。

色んな人と出会うよねって話

あと、地域によっていろんな人が出てくるのが面白かった。愛媛では民宿の女の子、神戸ではスナックのママで2児の母。そして東京では教員を目指す大学生、東北に向かう最中には姉の子どもを育てることになった女性。みんなそれぞれに想いがあって、その土地で暮らしている。すずめちゃんが触れるのは優しい世界だけど、その外側の世界はSNSですぐ拡散されるような厳しいもので。それを感じ取ったら、ああやっぱり世界って優しくも厳しいんだなって思った。

草太さんの優しさ

草太さんって優しいな〜てまじで思う。教師になりたいって言ってて、教員試験が目前に迫ってたのに、扉を閉めに行って、椅子の姿にされて。それをすずめちゃんのせいにしてもいいはずなのに、「きみのせいじゃない」って言って。高校生のすずめちゃんを巻き込まないように、閉じ師としての責務を全うしようとして。もう好きだよ。失恋夢書けるよ。隣の部屋の宗像くん。ときどき傷だらけで帰ってくるから心配で、でも声をかけられなくて。でもある日、急に高校生の女の子が部屋にやってきて。そのあとの宗像くんは人が変わったみたい。的な…
思えば、神戸のスナックで子どもたちの相手をしたときも子どもが好きなんだなって感じられた。小さい子に遊ばれてるのに楽しそうだったし。なんだよ…好きじゃん…(涙腺の死)

芹澤くん…

芹澤くんさあ……………絶対草太さんにクソデカ感情抱いてそう。じゃなかったらあんなに執着しないもん。草太さんがいつかどこか行っちゃいそうなこと、気づいてたのかな。そうじゃなかったら「金貸してて〜」なんて嘘つかないし。2万円ごときで東北まで車運転してくれる奴がいるかよ。なんなんだよお前…ッッッッッッッ結局2万円借りてるのは芹澤くんでさ、草太さんが忘れてるからそのままなのやばすぎ。草太さん優しいエピが潤ったよ。(?)芹澤くんは絶対草太さんのこと好きなんだよな…いやだな…人生狂っちゃったな…

すずめちゃんの恋心と覚悟

大きなミミズが出てきて、草太さんが要石になって。東京の大きな後ろ戸を閉めて。草太さんを助けに行くんだって決意したすずめちゃん。常世に行くのは難しい。草太さんのおじいさんに会いに行ってヒントを貰って、そうして進み出したところは本当に泣けた。覚悟を決めて制服に着替えたところが好きすぎた。
すずめちゃんも、最初は一目惚れだったかもしれないけど、どんどん草太さんが好きになっていってるのがわかって胸がギュッてなった…好きな人?て聞かれて最初は「違う!」て答えてたのにさ、最後には「好きな人のとこ!」て答えるの本当に…すずめと草太さん幸せになってくれ…だってすずめの行動原理はずっと草太さんを救うためだからな…本当に…好きな人のためなら強くなれるのよ女の子は…(プリキュアか?)(違います)

すずめちゃんの故郷への道のり

車移動で東北に向かうのって結構大変なんだな〜てなりました…中古のスポーツカーの故障してるところクスってなった
道の駅ではさあ、おばさんとすずめちゃんが対峙して、ぎくしゃくすることになって。それに静かに寄り添う芹澤くんがめちゃくちゃ…良かった…「重すぎ…?」て言いながら寄り添ってくれる芹澤くんがさ、良いんだよね…ぶっきらぼうで適当そうなのにそこは優しいの…本当に好き…
東北へ向かう道筋のところで、すずめちゃんが後ろ戸を探して車から降りてダイジンに話しかけて、芹澤くんが後ろから追いかけてくるところについて考えたい。「ここらへんってこんなに綺麗だったのなあ〜」て何気なくつぶやく芹澤くん。ここに街があったのかもしれない、ていうことを考えていなくて。どんどん過疎化していく街を知らない東京の人の目線だなあって思った。すずめちゃんは、ここらへんが地震と津波でなくなったことをわかっていたから複雑な表情だったのかもしれない。でもそれをぶつけないところが大人だなって思った。

すずめちゃんの成長

すずめちゃんって、子どもっぽいけど子どもっぽくないんだよね。おばさんには旅行の理由を言わないしわがままだって言うけれど、草太さんには「死ぬのは怖くない!」て言ったり、芹澤くんに言いたいことをぶつけなかったり。きっと大人にならなきゃいけなかったんだろうなあと思う。でもおばさんにわがまま言ってるからおばさんには甘えていいって分かってたのかもな、とも思ったり。
絵日記も本当にやばかった。3月11日からしばらく黒いクレヨンで真っ黒に塗りつぶされてる。それは回想にも出てきたけど、お母さんがいなくなったことを受け入れられなかったすずめちゃんが自分の心を守るためにやったことなんだなって。そうして扉の向こうでお母さんに会って。救われたのかもしれない。

愛は全てを救うのかもしれない

草太さんが要石になりそうでならなかった理由がすずめちゃんのキスなの本当に…本当に…!!!!!!!!!!!!!!!
扉の向こう(常世)で、ダイジンとサダイジンが手伝ってくれて、草太さんのところへ向かって。草太さんって必死に呼びかけるすずめちゃんを幸せにしてあげたすぎる。「私が要石になる!」っていう言葉を聞いたダイジンが手伝ってくれるのもいいよね…ダイジンはすずめちゃんのことが大好きだからすずめちゃんが要石になるのはいやだよなあって…一緒に旅していく中ですずめちゃんを大事にしたいって気持ちが芽生えたのかなって思うと…東京でも常世でも、落ちていくすずめちゃんを救ってくれたのはダイジンだしな…神って本当に気まぐれで読めなくて最低最悪の存在すぎ…
最後はちゃんと要石に戻ってくれるんだけどさあ、草太さんを椅子の姿にして弄んだこと絶対に許さんぞ…て感じではある
草太さんが眠ってたのって要石になる準備だったのかもしれないとも思った。すずめちゃんのキスで毎回目が覚めてたのはさあ、そういうことじゃん…やだな…好き…

演技の話をしたい

椅子(CV:松村北斗)の字面強くない?どうした?
北斗くんも菜乃華ちゃんも声優初挑戦のはずなのにめっちゃうまくてすごいと思った。北斗くんはほとんど椅子の姿で、表情ないのに慈愛とか怒りとか、いろんな演技をしてて本当にすごい。
北斗くんの扉を閉める時の祝詞?呪文?がめっちゃ好きだった、耳にすって入ってきて気持ちよかった。これ睡眠導入剤にしたい。サントラに入れてくれませんか?松村北斗の声癖になる…寝れる…ASMRやってほしい…

扉の向こうには全ての時間がある

小さいすずめちゃんと今のすずめちゃんの会話もめっちゃ良かった…「お姉ちゃんだぁれ?」の答えの「すずめの明日だよ!」が本当に良すぎて語彙力消し飛んでる
私にはまだやることがある!ていうのがよかった。小さい頃に扉の向こうに迷い込んだすずめちゃんに、椅子を渡して。また、物語は繋がっていく。新海誠監督のこういうところ本当に大好き。矛盾で終わらせずに、ずっと続く物語にしてくれているところが。私はドラえもんで育ったので、ドラえもんもこういうことするよね〜!!!!!てなったよ…

ラストシーン

全部終わったあとの、ふたりのハグのシーンがめちゃくちゃグッとくる…「会いに行くよ」の草太さんの声が本当に優しくてさ、もうこれすずめちゃんのこと大好きじゃん〜!!!!!!!!!てなった
帰りのシーンで今までお世話になった人を巡っていくのもじーんときた、涙出てきた…
再会するシーンもさあ…おかえり、なのいいよね……エモ……………………

最後に

新海誠監督は民俗的な要素から話を広げるのがめちゃくちゃうまくて、本当にすごいと思う。私は日本の神話がめちゃくちゃ好きなので新海誠監督作品の自然の力との戦いみたいな日本らしい物語が本当に大好きです。
とにかくめちゃくちゃ良かった。すずめと草太さんのこれからを想像しても楽しい。災害に対しての考え方もかなり変わった。まあ性癖はぐっちゃぐちゃになったが。草太さんと芹澤くん、そしてすずめと環さんの関係に着目しても楽しめる作品だったし、そうでなくても楽しめる作品だった。全部知った上でもう1回見たいよ…ッッッッッッッ

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