明日の私へ、 。【交流創作企画#ガーデン・ドール】
明日の私へ。
きっと明日の私は目を覚ましてから、とても困惑していることでしょう。
私は私のことを、なんとお呼びしているのでしょうね。
僕でしょうか、あたしでしょうか、もしかしたら俺、かもしれませんね。
明日の私はきっと、私と私の記憶を得ているのでしょう。
私が傷つき、私が不安に思い、私が失い、私が得たものを知っていることでしょう。
もし時間があるのであれば、私と私の日記に目を通してみてください。
明日の私にとって理解できない感情があったとしても、その時の私と私は、本気でそう思っていました。
本当に、それら全てが偽りのない心でした。
私は、明日の私に全て、全てを押し付けて、全て投げ捨てて私の終わりを願うことにしました。
とても勝手なことをすると、私も理解しています。
明日の私に、白い目で見られることでしょう。
なんてものを遺していったんだ、と。
それでも私は、私がこうしたいと願ったのです。
私が終わりを選ぶのなら、これが良いと。
私が選んだことは、親友への想いでした。
私が選ぶことは、私の想いゆえです。
だから、私は私のことを忘れて、自由に生きてください。
私は私のために、私の最後を選びます。
だから私も、私の好きに生きてください。
私は叶わぬ願いと、叶わぬ恋心と共に、私の終わりを願います。
全て私のせいにして、全て私が身勝手にしたことだと、恨んでください。
そして私は、私のために生きてください。
私は、あの方が好きでした。
この感情は、私が持っていくことにします。
明日の私が、私の感情に引きずられませんように。
私のことを忘れて。
私の望むように生きてください。
だから、どうか。
どうか。
これが呪いとなりませんように。
おやすみなさい、私。
どうか。良い夢を見られますように。
おはようございます、明日の私。
どうか。迷いなき道を歩めますように。
「……バンクさん、抱きしめても、良いですか?」
「バンクさん……ごめんなさい、私……」
「私は……終わりを願います……」
「ずっと、そばに居てくださったのに……ごめんなさい……」
「……ふふ、そうですね……。これまでずっと、支えてくださって……ありがとうございました」
「どうか……明日の私が、私のことを思って迷わないように、苦しまないように……」
「……明日の私の、そばに居ていただけませんか?」
「……ありがとうございます、バンクさん。……大好きですよ」
「……いってきますね」
あぁ。
私の、最期の景色が。
この色で、本当に、良かった。
#ガーデン・ドール
#ガーデン・ドール作品
【企画運営】
トロメニカ・ブルブロさん
Special thanks ◾️◾️