約15年ぶりにポケモンで遊び大人になったと気付いた話

はじめに

買ったばかりのペーパーマリオ オリガミキングを3連休でトロコンしてしまったうえ、手持ちのSwitchのソフトは全てクリアしてしまいやることもなく(PS4のゲームは積みゲーと化しているが)、何か新しいゲームを買うか考えていた時フレンドがポケモンをプレイしている通知がやたら出てくるので約15年ぶりにポケモンを遊んでみることにした。

GBの赤・青・緑・ピカチュウ版から遊び続けたポケモンシリーズだが、最後に遊んだポケモンは「ダイヤモンド」(以下、DP)と未だリメイクを心待ちにしている熱狂的ファンがいるタイトル。あの頃はGBA版のポケモンを連れて来ることができるという子供心を擽る画期的なシステムが興味をそそり、中古で購入してもらった思い出がある。いざ開始すると(前の持ち主のデータが消されず残っており、興味本位で見ると手持ち全員がダークライだったクソパ話は置いておいて)やはり面白い。当時中学生くらいだったと思うがアホみたいに遊んだ。便利なことにDSはバックライトが付いているので夜に寝たと見せかけて布団の中で隠れてプレイすることができたのだ。これは悪ガキには頼もしい味方だ。クラスメイトの中には一部狩猟者もいたが、兼業しているポケモントレーナーもちゃんといた。「どこまで進めたか」「俺はもうクリアしたから○○をルビーから持ってきた」「今度対戦しようぜ」などポケモンが飽きるまで休み時間に話題が尽きることはなかった。

思い出話はこれくらいにしてとにかくDPの頃は楽しくプレイしていた。最近では「セーブがとてつもなく遅かった」「テンポが悪かった」などの不満の声を目にすることがあったが、当時ガキだった自分にはロードが長いなど微塵にも思っておらずただただレポートをする時の時計の針が止まるタイミングを測っていた。子供とはそういうものだ。

約15年ぶりにポケモンをプレイ

最後に遊んだのはDPなのでそれ以降のポケモンやシステムなどは名前は聞いたことがある程度の知識。大人になった今、ただ単にプレイして感じたことを綴ろうと思う。

良1.移動がスムーズになった

今作でも登場するお馴染みの「自転車」の他に1度行ったことのある場所にファストトラベルができる「空飛ぶタクシー」や、「列車」が登場する。既に飽きる程記事にもされていると思うので割愛するが確かに移動は便利になった。「空飛ぶタクシー」を使えば手持ちが危うくともすぐ街に移動して回復もできるし移動時間の短縮もできる。近年、ファストトラベル機能が充実した作品が多い事から遂にポケモンにも来たかといった印象。また自転車になみのり機能が付いたため、水上を自転車で走行できるのも移動がシームレスで楽。

良2.シンボルエンカウントシステム

いつからシンボルエンカウントになったのかは分からないが、DPで時が止まっている身としてはだいぶ世界が変わったように感じた。あの頃は自転車を爆走し唐突なエンカウント→バトルといった流れだったが「こちらからバトルをしかける」or「無視する」かを選べるようになった。死にかけのパーティで街に戻ろうとしてエンカウント→死亡は経験があるので悪くは無いと思う。

良3.片手操作だけで完結できる

普通はコントローラー左側のLスティックで移動、右側のボタン類で操作の流れが基本と思うが剣盾では片手だけでの操作で完結できる。レッツゴーシリーズでもそうだったのかは分からないが思ったより不便ではなく左手でポケモン、右手でスマホといった謎同時プレイも可能だ。

良4.ワイルドエリアと手持ち

今作から登場する「ワイルドエリア」は某所のようにあらゆるポケモンが出現する新エリア。ここで手持ちを揃えるもよし、育成するもよしといったことができる。更に戦闘を行った際、バトルに出たポケモンだけでなく手持ち全員に経験値が入るため育成が楽々となった。そのため評判の悪い「がくしゅうそうち」を持たせずとも自動的に手持ち全体の平均レベルが上がっていきジムにも挑みやすくなる。

…とここまで感想を並べたがこんなものはnoteにもよくある感想なので次に個人的に気になった点を挙げていく。

微1.BGMが記憶に残らない

ポケモンシリーズは耳に残る戦闘シーンがあると思うが個人的に今作で耳に残ったBGMは1つも無かった。個人的にだが「ブラッシータウン」は曲調的になのか「カイナシティ」に酷似しているのであの町に行くたびにカイナシティのBGMが自動的に脳内再生される。ジムリーダー戦終盤での観客の声が入るのは展開的に良いが曲より観客の声の方が覚えている。

微2.パーティに思い入れができない

今作に登場する「ワイルドエリア」ではジムバッジを手に入れることで捕獲可能レベルを上げることができ、最終的に全てのポケモンを捕まえることができるようになる。そのため、バッジを手に入れる事にエリアに行き強そうなポケモンを捕まえては手持ちに入れ次のジム戦へ…といった流れができる。DPまで遊んだ身として、最初の街付近で捕まえたポケモンを育て、レベルを上げ、進化させ、ジム戦にも出し、わざマシンを覚えさせ、愛着が湧いてくる。ただ、今作ではエリアに入り浸ることで手持ちの入れ替わりが激しくなる。個人的にも最後のパーティで物語開始時のメンツは最初に選んだエースバーンのみだった。自分も手持ちをコロコロ入れ替える派なのでそこまで気にはならないが、最後まで戦った仲間が少ないというのは微妙にやるせない。

微3.敵(相手)がとことん弱い

微2でも記述したが、手持ちの入れ替わりが激しい点と、ふしぎなあめなどのドーピングアイテムが大量に手に入るのでポケモンの強化が容易なことから相手がとてつもなく弱い。弱すぎる。初めのうちは色々なポケモンを捕まえ相手の属性を見極め都度入れ替えて戦闘…としていたがオノノクスを手に入れてからはもうなろう系の主人公か?ってくらい無双状態になる。「りゅうのまい」で攻撃素早さを上げ、「げきりん」で倒す、混乱したら一旦下げてまた出す…といった流れでチャンピオンをも即堕ち2コマ状態にできる。お前ホントに無敗のチャンピオンかってくらい弱い。オノノクスを手に入れてからはゲームバランスが崩壊したのでやや考えもの。

微4.ポケモンのデザイン

剣盾で登場するポケモンがとにかく個人的にときめかない。時折多少カッコイイ、カワイイものも出ては来るが、ルカリオやサンダース、キュウコン、フライゴンなど昔馴染みのポケモンを見た方がテンションも上がるし捕まえたくなる。やはり思い出補正は強い。剣盾に限ったことではないが最近のポケモンは立体化に伴い全体的に丸みを帯びたフォルムが多く、愛嬌もなくどことなくモンスター感の方が強い。まぁポケットモンスターなので間違ってはないが、少なくとも一緒に生活したいと思えるようなやつがワンパチくらいしかいない。あとラスボスの骨。フィッシュボーンか?

微5.クリアまでの展開、お楽しみ要素

ストーリーはお馴染みのチャンピオンを目指すという流れだが、物語がまぁ薄い。進めていくに連れて段々雲行きが怪しくなる。最初は濃厚な麺つゆで美味しく食べていたそうめんも途中で水が加わり薄まっていき、最後には薄味のそうめんを食べているよう。DLCで新たに濃ゆい麺つゆを追加して飽きないよう食べ続けてもらうような施策もちょっとね…。本編も何となく委員長黒幕やろなぁと匂わせる場面はあるがとにかくローズ委員長の目的や行動が唐突かつ無理やり過ぎる。実験の決行が決勝当日でないといけない理由が明確にゲーム内でも出ておらずよく分からないまま負けて逮捕される。せっかちはよくないね。結局ねがいぼしやらダイマックスやら2人の英雄の行方等設定の究明は後に取っているのか分からないが不思議な力でポケモン大きくなるぜってだけで有耶無耶に終わるのもB級ファンタジー映画のよう。クリア後は図鑑を埋める、ネット対戦といつものクリア後要素しか無いため目新しさが無い。(DLCを除く)

さいごに

約15年ぶりにポケモンの新作をプレイし、時代にあった形に進化したポケモンを見ることができたと同時に、粗探しもせず何も考えずにただ単にポケモンを捕まえ、育て、友人とだべっていたあの頃の様な純粋な気持ちでポケモンを遊ぶことができなくなったんだなぁと痛感した。大人になった今でもポケモンを楽しめる人はその純粋な心を忘れずにいてほしいと思う。