Surface Pro 6 で音ゲー(プロセカ)をしたかった我が闘争の記録
この記事は、同じようなこと(Surface デバイスでモバイルOS向けのアプリであって、反応時間がシビアなアプリ(音ゲー等)を使うこと)を企む人々が、私と同じ苦労をしないようにするために書く。
2023/2/28 追記
この記事の続編が公開されました。先にこちらを読むことを推奨します:
結論は「できない」
Nox Player などの Android エミュレータで音ゲーは難しい
PC のスペックが高ければ大丈夫なのかもしれないが、Android に Windows というラッパーがかぶさるとタッチの反応時間的な問題が出る上、
Surface Pro ではスペックが足りず、カクつく
iPadOS / iOS を PC にインストールすることはできない
ネイティブで Android 系OSを動かそうとするが、Android x86, Bliss OS, prime OS, ChromeOS(ChromeOS Flex ではない)はダメ
どれもタッチスクリーンのドライバに linux-surface が当たっており(全ての Linux 系 OS はこれを使っていると思われる)、これに問題がありノーツが抜けまくる
以上で、詰みである。望みがあるとすれば、linux-surface のドライバが改善されることである。
以下、解説
Android エミュレータ
仮想マシンは、Surface Pro ではスペック不足で重たい。他のよりマシンパワーの高い Surface デバイスなら何とかなるかもしれないが、Windows というラッパーがあるせいで入出力の遅延があるため、どうかな。
結論:スペックの高い Surface デバイスならワンチャン
iPadOS / iOS を PC で
無理。そんな方法は存在しない。
Android をネイティブで動かす
Surface のタッチスクリーンの Linux 向けドライバである、linux-surface ドライバに問題があるのか、2023/1 現在どんな Linux(Android は Linux ベースなので、故にどんな Android)を使おうが、高速なタッチをすると反応が不安定になる問題が出ると思われる。
が、これが一番望みアリだし、もし試したいのなら ChromeOS を強く推奨する(ただし 2023/1 現在の話)
最も簡単で望みアリ:ChromeOS
入れ方は簡単で、Brunch の GitHub の指示に従うだけ(以下少し解説するのでまだ読んでください)。私は何の問題もなくすんなりいった。
ChromeOS を試したい人向けの解説
ChromeOS は ChromeOS Flex, Chromium OS とは違う
ChromeOS Flex, Chromium OS では Google Play が使えない
ので入れる価値がないが、ChromeOS では使える
しかし、ChromeOS は基本的に企業が ChromeOS 入りとして売っている PC にしか入らない
が、Brunch を使えば、ChromeOS を ChromeOS 入りとして売っていない PC に入れることができる
デュアルブートも grub2win を使って簡単にできた(詳細は上の GitHub 参照)
なお、Brunch で ChromeOS を入れる日本語の解説記事もあるが、そういう情報は大抵古い(ブーメラン)し、公式の GitHub が一番丁寧なので GitHub を見て行うことを推奨する(英語がよほどできない人は別かもしれないが、そういう人は翻訳をかければよい)。
ChromeOS Brunch では OS のコンフィギュレーションが出来る(https://github.com/sebanc/brunch/blob/main/troubleshooting-and-faqs.md#brunch-configuration-menu 参照)が、そのオススメ設定
ChromeOS をインストールするなら、インストール先のドライブは 32GB 以上を推奨
16GB でも OS の起動は出来るが、残りの容量が 4GB くらいしか残らない。ギリギリプロセカは入るが、それ以外何も入らない
また、遅いストレージにはインストールしないこと。安物の USB メモリ(USB 3.1 gen 1 対応 32GB で1000円ちょっと、書き込みが 11MB/s くらい)にインストールしたところ、OS 全体がカクカクで使い物にならなかった
最低でも HDD くらいの速度は必要。多分 100MB/s くらいは必要かと。つまり高めの USB メモリか、HDD / SSD に入れるか
ChromeOS をビルドするとき、以下のように size のオプションを設定するが、20 以上を推奨
この size が ChromeOS 上で使える容量になる(厳密には違うが、size が増えるほどアプリや写真などに使える容量が増える)
14 が最低だがこれだとほとんど自由に使える容量がないので 20 くらいは欲しい。確か 20 で 9GB くらい自由に使えた気がする
sudo bash chromeos-install.sh -src chromeos_filename.bin -dst /mnt/c/Users/username/brunch/chromeos.img -s size
ipts touchscreen オプションはオンにしないとタッチスクリーンが反応しないので必須
ipts は kernel が 5.4 か 5.10 などとあるが、kernel は 5.15 でよかった(試した限りは)
ので、kernel は最新の 5.15 を推奨
enforce_hyperthreading=1 はオンを推奨
これをオンにするとパフォーマンスが劇的に向上した
デュアルブートする場合、grub2win の configuration に ~~.grub.txt を貼り付ける作業をすると思うが、このとき貼り付けるテキストに " が含まれるとエラーが出、' に変えろと言われたので、" を ' に置換した
健闘を祈る
Android x86 ファミリー
Android x86 ファミリーとは、Android x86 及びそれから派生している OS であり、Android x86, Bliss OS, prime OS などである。
これらの OS は ChromeOS に比べて出来が悪いので、ChromeOS が入るなら入れる意味はない。出来が悪いとは、
ChromeOS なら動く
電源ボタン
音量ボタン
が動かない
日本語への対応が ChromeOS のほうがしっかりしている
ドキュメントの不足
ChromeOS ほどコンフィギュレーションをいじるのが簡単ではない
等々である。タッチスクリーンの反応性は ChromeOS と全く同じである。
もし Android x86 属を試したいのなら、Bliss OS を推奨する。他の OS ではタッチスクリーンが反応しなかったりブートできなかったりした(試した限りは)。
ただし、普通に配布されている Bliss OS ではタッチスクリーンが動かないので、https://mega.nz/folder/nkYUXTgB#wvQYX938G3RYCzCGexitDg/folder/Ho5AXYQK の surface-gapps をインストールしたほうがよい(gapps は Google Play が使えて、 fuss は使えないと思う)。これの出所についてだが、私が 2022 年 12 月ごろに Bliss OS の Discord に入って開発者とコンタクトしてビルドしてもらったものである。だから unofficial とはあるが公式出である。
だからもし、最新のものが欲しい / 分からないことがあるなら BlissLab の Discord に加入し、聞いてみるとよい。親身に対応してくれると思う。
後語り
Surface でプロセカしてぇ!!!!!どうにかできないものか‥‥。何か進展あればぜひご連絡を
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