悪夢の話

子供の頃に見ていた「悪夢」と呼べるような夢は「不審者に追いかけられて殺されかける」の一択だった。
どれも物凄く恐ろしかったため、3パターンくらいはっきりと思い出せる。

今現在、大人になってから見る悪夢は、「恐怖」がベースではない。
ホラーが好きでよく観るが、心霊やスプラッタなものが登場するようなものは全く見ない、または見ても忘れてしまうほどのインパクトしか残らない。

ではどうなのかというと、こんな感じだ。

①現在の年齢のまま何故かもう一度大学や高校を受験しようとしており、周囲との人生ステージのギャップに苦しむ
②なんとなく移動教室に行くのが嫌で、教科書を用意したまま教室でボーッとしており、そんな自分への自己嫌悪で苦しむ
③引っ越さないといけない期限が迫っているが何件内見しても許容できる物件に出会うことができず、焦る
④遠距離を移動しないといけないのに乗り換えをミスったり電車が止まったりしてその日のうちに目的地に辿り着けるか怪しくなってくる

このように、「焦り」「後悔」みたいな感情でパンチしてくる。
どちらがマシだろうか。
ちなみに、上記はどれも微妙に似た経験は有るが、「全く同じ経験がある」とは言えない出来事である。
浪人した当時そんな悩み方をした覚えはないし、高校時代は特に何らトラブルがあった訳でもないのに全く授業に出ず委員会室でゲームをして帰っていた時期も有ったが、そんな感情になったこともない。
一人旅で乗り換えミスにより飛行機に遅れて8万円フイにした時も意外とすぐ気分を切り替えられた。
ドクター・ストレンジで「夢は並行世界の自分」なる言説があったが、自分は高確率でこんなことを経験しているのかと思うと嫌気が差す。
「いかにもやりそうなことだ」と思ってしまうフシがあるから。

それはそれとして、自分の中で一番印象深い悪夢は、浪人が決まった直後くらいに見たとある夢だ。
洗面所の鏡を通って数十年後の世界に出る。
年齢より不自然に老けてくたびれた様子の40代の自分が居て、訳を話すと元の世界に戻れるように手助けをしてくれた。
「どこの大学に行ったんですか」と、自分が今凄く気になっていることを聞いたら「言ってもわからないと思う」とはぐらかされたのが印象的だった。
たしかに夢を見た当時、大学受験に全く積極的ではなかったため、
地元の大学と旧帝大の一部、早慶くらいしか大学の名前は知らなかった。
なのでその後実際に自分が卒業した大学の名前を聞いてもぴんとこなかったと思う。
この謎の予言が微妙に当たっているのが嫌だ。

そもそも非現実的な内容なので予言的に捉えるのもどうかと思うが、40代くらいであんな風に老けたくはないし、仕事に忙殺されていて余裕が無く、なんかつまらなさそうな人生送ってんな、という印象を抱いたのも嫌だった。
並行世界だかなんだか知らないが、普通に流されるように人生を送っていたらそうなっていた、ということも自分の性格ではあり得たと思う。
なので、敢えて「ああはならないぞ」と思うことでこの先ギリギリ踏ん張れるということも有るのかもしれない。

最後に。
昨日この記事を8割くらい書き上げた段階で眠りについたのだが、見事に③と④の組み合わさった悪夢を見た。
やはり寝る前は楽しいことを考えるべきである。

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