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新成人、街コンへ行く②


 街コンを応募してから1週間ほど時間があったので準備をした。「出会いの場のマストアイテムは白いブラウス!」と恋愛必勝サイトは謳っていたが、こりゃ被るなと思い前から憧れていた白いワンピースをZOZOTOWNでお買い上げした。 知らない世界にワクワクする自分がいた。

 当日。場所は新宿の西側の某テナント。
暗い部屋の真ん中に水槽があり、各テーブルはパーテーション(透けてないやつ)で仕切られていた。源氏物語の御簾ってあったなと思った。


 街コンの流れはこうだ。 
自分のプロフィールカードを書く。→プロフィールカードを交換し1組7分間のトークタイム。
→最後によかった人の名前を書いてマッチング。

 プロフィールカード。小学生の頃に書いてと言われてはウハウハ答えてたのが懐かしいが、今回のは相手の恋愛観について理解できる項目が多くてなるほどなと思った。
「好きな異性のタイプ」「デートで行きたいところ」「好きな食べ物」「実家?一人暮らし?」「身長」(座ってちゃわからないもんな)

 "花火のように一瞬燃える恋"よりも"暖炉の火のように長く続く幸せ"を断然求めているので好きなタイプには「一途な人」と書く。こういうのは誰にでもあてはまるほうがいい。

 ちなみに会話はスマホ使用禁止。話がつまらなくてパズドラを始めた猛者がいたのだろうか。


 そしてその日の参加者は男女6:5のちょうどよい比率だったらしい。大学2年なのでもう2年前の話だが、覚えている分だけ書いてみよう。


 1人目。
 同じ県出身の大2元野球部。(髪の毛フサフサ、なぜか覚えてる黒白チェックシャツ) 住んでいた市も聞いてみたけど、だるまが有名なことしか知らなくてオウム返しで終了。それでも同郷と言うのもあって話した雰囲気が心地よかった。帰省デートも想像した。

 2人目。
 会場へのエレベーターで会った人。顔が整っていて(こういうのは吉沢亮とか小関裕太を指標にしている)その時私は街コンに期待がふくらんだ。大3。けれども、あまり話は盛り上がらなく7分が長く感じた。

 3人目。
 2人目の静けさをよそに、隣ですごく喋るなと感じていた人である。大3。笑顔が素敵だった。特徴的な名前の読み方から始まり、行きたいデートスポットも有名な楽しいところで話が充実していた。

 4人目。
 顔が整った(同上)大4。初見こんなイケメンも街コン来るんやなと思ったが、すぐに納得できた。「好きな芸能人、小栗旬なんですね!リッチマン・プアウーマンとか銀魂とか見ましたよ」「いや、俺テレビ観ないんで〜」 なぜ書いた。YouTuberでねえんだぞ。
「デートで行きたいとこ、みなとみらい!あそこの観覧車大好きなんです!」「あ〜、でもぼったくり値ですよね〜」おい、話を折らないでくれ。きっと街コン合コンではない場所で出会う方が向いてそうだ。顔がいいんだから。

 5人目。
 外見狩野英孝っぽい。ちょっとガツガツしていたが、音大生であることに興味を示してくれたのは嬉しかった。

6人目。
 見た目がまず、合唱の授業の先生にそっくり、こういう親近感ってあるよなあ。優しいお顔の大4。安心して話せるような大人の余裕というものを感じた。(現在この人の歳になったが、こうはなれそうにない。) デートの場所というより好きな食べ物やお酒の話ができたのが好印象だった。


 そんなこんなでトークタイムが終わり、運命のジャッジタイム。 よかったと思う人の名前を上位3人まで書く。そして、連絡先を書いたカードも3枚。
 私は1番目、3番目、6番目という順で選んだ。面白いことにイケメン2人はノータッチ。別にイケメンに恨みがあったわけではない。 ただ、恋人にしたら楽しそうだなって人を選んだ。
 
 最後は女性→男性の順で結果表とともに返される。お互い上位3人を書いた中で1番上の人を書いたマッチングカードに書かれていたのは…………


 3位に書いた6番目!合唱の先生だった。

 合唱の先生からの連絡カードも入っていた。SIMフリーなのでご不便かけます、と短時間の中で書いてくれた気遣いが嬉しい。


 帰りの電車ですごい日だったなあ…と余韻にふけった。男性の教授が男子生徒より多い大学ゆえに世の中こんなにいろんな人がいるんだと思ったし、やっぱり気疲れはあった。この中の誰かと付き合うかもって気持ちで話してるし7分で相手の印象を感じとらなきゃいけないのも。 

 結婚適齢期の時によほど縁がない時以外はもう1回行くっていうのはないと思う。


 そんな状況でも大人の余裕で包み込んでくれたこの人とはうまくいくんじゃないかな、そう思っていた。

 

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