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自由な形式で書かれた詩を収めています。幻想的な詩、物語的な詩、ナンセンスな詩など。
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2024年3月の記事一覧

日本の深層 【詩/現代詩】

(月光仮面は  まがいものであった  黄金バットとともに  子どもたちをだまくらかし  昭和…

汐田大輝
4か月前
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視力 【詩/現代詩】

僕の視力は 標準視力なので だいたい 1.5はあります (ほんとをいえば  平均よりはだいぶ…

汐田大輝
4か月前
74

春の一日 【幻想詩】

晩春の路面電車は 半分透きとおっていて もうほとんど レールを踏み外して とろり とろりと …

汐田大輝
5か月前
88

夜から来るキカイ 【詩/現代詩】

いつの頃からか 毎夜のように 訪れるようになった あの方が カシャカシャと音を立てて 月のな…

汐田大輝
5か月前
73

S市の未来 【詩/ショートストーリー】

その昔 S市の勢力は 駅周辺に縮こまっていたが いまではゴムのように伸び広がっている その伸…

汐田大輝
5か月前
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倫理の断崖 【詩/現代詩】

隕石の 落ちる音が聞こえた そこいら中の岩が顔に見える 風に削られていく 鼻や喉や 乾いた…

汐田大輝
5か月前
91

モグラたち 【詩】

訪日は無理そうだ とパリのモグラ 鏡の中で 右から左へとぶ 今年は棟梁選挙がある 候補者が決まっていないんだ と 出涸らしのお茶を淹れる スタンフォードのモグラ 三月になると 体毛に変調が起きるのだ 太陽が大きくなったせいか どいつこいつも気が変になる とアラブのモグラ …飛行機は飛ばないでしょう …どこに飛んでいくかわからない 午後からは雨だ と関東のモグラ 雨は本降りになりそうだ とパリのモグラ くり返される会話に 眠気が増していく今日この頃 今日は寝ていたいよ