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その夜 〈月の鯨〉を祀る厳かな礼拝堂にて パーティーが行われた 高級船員限定の集まりだった…
太陽の光は大気を銀色に染め 万物は茫洋とした昏睡状態に陥っている うつらうつらとして 眼を…
なぜ、オレたちは鯨を追いかけるのか 世界中の数多の捕鯨船が 海の藻屑と消えるかも知れぬ危険…
船は超自然的現象の中を進んでいく 現実と幻想のあわいをただよう舟子たち 船長は姿をくらまし…
鯨群の潮吹きを ことさら秘蹟めいたものにしたのは 不思議なほど清澄な天候だった 倦怠と孤独…