small world

言ってはいけないことはだいたい正しいとも言う
誰かに過去に言われた
あなたの声は面白い あなたは不思議 天然 世間知らず挫折知らずのお嬢様 偽善者 何かを身に着けるのが遅い人と
それらはきっと真実かも それでいいよ 傷つかない

自分が取った過去の言動 疑問だらけ 
なぜあんなことしていたんだろう なぜ受け身過ぎたんだろう なぜ歩くと足が側溝に何回も入ってたんだろう なぜ両足が浮いた感じがしたんだろう なぜディズニーランドで目が開けれなくなったんだろう なぜ授業と電車で寝っぱなしだったんだろう なぜ相手を良い人だと思ってたんだろう なぜ口で勝てないんだろう なぜ嫌だと言えなかったんだろう 言えなかったのか言わなかったのかどっちなんだろう なぜ長電話すると切りたくなくなってたんだろう 

そういうことの答えは たぶんASD
後から後から振り返ると ASD
誰も信じないような過去を持っていた
打ち明けたらその人が 墓場まで持っていきますと言ってくれちゃうような
でも 解離も過剰同調性も共依存もDVも異常な疲れも切り替えの悪さも確認強迫も 発達障害者にはよくあることだと分かった今
発達障害をたくさん診ていて発達障害を深く理解した人ならば 過去を信じてくれそうとかすかに思う

発達障害を表面上でだけ理解した人達の間には 分断が起きているように思う
あなたの症状・あなたのエピソードは発達障害ではなくパーソナリティ障害だとか愛着の問題だとか甘え・わがままだとか
発達障害者全員が犯罪や虐待、DVをするわけじゃないから障害と罪を完全に切り分けて考えろとか
空気を読みすぎるのはHSPとかACであってASDではないとか HSPとASDは明確に区別できるとか
知的に高い発達障害者やギフテッドは そうでない発達障害者よりも恵まれてるからいいねとか

広い裾野を持った発達障害という概念を互いが理解し尽くせた時はじめて 優しい生きやすい世の中になるんじゃないか
アルコール依存症も共依存症も性依存症も薬物依存症も路上生活者も犯罪加害者もLGBTQも それら一個ずつが別格みたいになって過剰に偏見視されがちだけど それらの根っこにあるかもしれない発達障害らしさから一堂に会して 皆で分かち合える日が来てもいいのに

発達障害を持つ皆が 言動や気持ちをぴったり理解され受け止めてもらうという体験をしていってほしい
自助グループに繋がる、当事者本を読む等を通して 自分だけでなく他人のいろんなタイプの発達障害者のエピソードを知る機会が増えたらいいのかもと思う
被害者が加害者を 遺族が犯罪加害者を ある発達障害者が自身とは対極の症状を呈する発達障害者を 本当に理解できる日が来たら すごい世界になるなとひそかに思ってやまない 
人間は成長できると信じたい 
これもまた私のASDらしさからくる社会正義を貫徹させたすぎる傾向とか空想癖からくる考えなんだろうか 倫理的に潔癖な馬鹿げたきれいごとなんだろうか
互いを理解しようという所から始めなければならないし 溢れかえる情報から正しい物を選び取らなければいけないし たとえ自分と相手を充分理解したとしても行動に反映されるまでにはとても時間がかかるから 変わるのは何世代もかけてやっとなんだろう
被害者が加害者を理解することは 傷ついた分だけ難しいけど 被害者はそれができるくらいに本来は強い人だと私は思う
相手を知ろう知ろうと追求した先に 自分と重なる部分は出てくる
相手を嫌悪することは 自分を嫌悪すること
発達障害についての中途半端な表面上の理解は 共依存者や当事者間の分断を量産しうる

誰一人として傷つかない文章を書くこと、誰一人として傷つかない言葉を発することは難しい
誤解されないためにここに記す 
ここに書いたことは決して 発達障害を理由に加害者を全面的に免責すべきとか被害者は痛みを即座に凌駕すべきといった意図ではない


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