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“革の仕事“ との出会い

始めた日のことを忘れないように、思い出を書くことにしました。
友人が文章の土台を書いてくれました。ありがとう。


「革とかはやらへんの?」

それまで色々な手芸に手を出していた私に、
大阪の地下鉄で知人にふと言われた一言。

以前から手を動かすことは好きで、
興味の赴くままにアクセサリーやキャンドルを作ってみたり、
何が一番好きかなあ、楽しいかなあ、自分に合うかなあ…と
ぼんやりと考えていた。

そんな中での先ほどのおしゃべり。
話が出ると少し興味が湧き、革について調べ始めた。
革のものづくりは少し敷居が高い印象があったけれど、
レザークラフト初心者セットのようなものを発見し、
これなら家でもできそうかな、と購入してみた。

そんな感じでとりあえず、革を始めることに。

そこから革と戯れながら、好きなように作る時間が始まった。
最初はなかなか思うような形にならなかったけれど、
ただ作ることが楽しく、上手くなりたい気持ちも相まって、
作業にのめり込んでいった。

作品をSNSにあげると、身近でレザークラフトをしているということの
若干の珍しさからか興味を持ってくれる人もちらりほらり。
少し距離が離れていた友人などと久しぶりに話すきっかけにもなったり、
やりとりの中で友人の知らなかった一面を知れたり、なんだか良い時間だった。

そんな中、
「究極にシンプルな革のショルダーバッグを作ってほしいんだけど…」と、
ある友人が声をかけてくれた。

その時は、「(いや、それ結構難しい気が…)
いつか作れるようになったらいいなあ、
そしたら作らせてねー」くらいの気持ちだったけれど、
これがある意味、対話から生まれた作品第1号かもしれない。

少し時間がたち、型を起こしたり、裁断・縫製なども少しずつ
できるようになってきた頃、
「よし、本格的に牛革の半裁(牛一頭分の革の半分)を買ってみよう!」と思い、
牛革を購入して製作を始めた。

とはいえ、小物に比べると鞄というのはやはりとても難しく、
大きな革に線を引いて、裁断して、穴を開けて、縫製して…も、
正直なかなかうまくいかなかった。

しばらく他の作品を作ることを繰り返し、少し期間をあけた。

そして改めて革を探し、再スタート。
デザインを描き、これならできるかもという型に起こし、
とうとうショルダーバッグが完成。

やっと納得のいく作品ができ、友人にも届けることができた。

ふとしたおしゃべりで
こんなものがあったらいいなあという想いが言葉になり、
作品という形にして届けることができる。

そんな初めての経験だった。

ここから、人との対話から作品をつくる
今の仕事のかたちがはじまりました。

そんな思い出の話でした。

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