マガジンのカバー画像

心のアルバム。

26
過去を思い出して、整理していく文章を集めました。つらかった記憶、楽しかった記憶、どちらも原点を振り返るために必要。 私の人となりに興味を持ってくれた人はどうぞ。
運営しているクリエイター

記事一覧

認知症の祖母と、恋バナ。

5年前に、父方の祖母が91歳で亡くなった。 祖母は年を重ねるにつれて、できないことが増えて…

35

ロックな精神と、尖った文章。

以前は「尖っている人はカッコイイ」と思っていた。社会に反抗するロックミュージック、毒舌な…

36

好きなおにぎりと、我が家の味。

「何のおにぎりが好き?」と色々な人に聞いて回っている。自分の中で、定番の質問のうちの一つ…

39

17年越しの父への手紙。

「ガンになった。2週間後から治療を始めるからその前に会わないか。」と父から連絡が入った。 …

91

画家の大叔父と、抽象画。

幼稚園の文集の「将来なりたい夢」のお題で「画家」と書いた。お花屋さんや、ケーキ屋さんは思…

36

おばあちゃんの海の家と虹色かき氷。

おじいちゃんとおばあちゃんの家からは、瀬戸内海が一望できる。 駐車場のスペースから石段を…

52

弟から見た両親の離婚と、心のヘッドフォン。

約2年前に、弟の遼と二人で飲みに行った。待ち合わせはJR武蔵小杉駅の改札。久しぶりに家族に会うので、私はソワソワしていた。 「どういう系がいい?あんまり詳しくはないんだけど、いくつかお店を知っているよ。」という弟に「あんまり肩肘を張らないお店がいいな。」とリクエストをした。 「じゃあ、串カツ屋にしない?ちょっと歩いたところにあるからさ。」 狭い店内に、たくさんの人が肩を寄せ合っていてにぎやかな空間だった。「っらっしゃいませー!」という威勢のいい店員さんに案内してもらって

note2年目の振り返り

6月16日でnoteを始めて2年が経ちました。1年目に引き続き、2年目も振り返りをします。 読み返…

48

おままごとの家出と父の不倫相手。

25歳のとき、うつとパニック障害になって新卒で入った会社を辞めた。それと同時に、家にいるこ…

97

子どもの頃に、気づけなかったこと。

小学生のとき、近所の駄菓子屋さんによく100円や200円を握り締めて走って行った。 弟はお気に…

52

さみし虫。

わたしの肩の上には、小さな生き物が乗っている。そいつはどこからともなくやって来て、わぁわ…

101

noteでの1年ちょっとを3期に分けて、振り返る

え、いつの話? ええ。6月で一周年でした。「書かなきゃ…」と思いつつ、「節目だからきちん…

76

心のバリアとバウムクーヘン

以前「親しさサークル」という企画をしたときに、「私は心のバリアが厚くて固い」というような…

374

別の人の生き方に憧れたら、池平撤兵さんの『ふつうのいるか』を思い出す。

高校生のころまで、絵は私の味方だった。 自分のことは大嫌いだったけれど、自分の描く絵だけは好きになれた。つらいことがあったときには、自分の描いた絵に慰められた。絵を無我夢中で描いているうちに、ボロボロと涙が溢れて心が軽くなったこともある。 我流なので構図がおかしいのもわかっていたけれど、趣味と呼べないくらい大切だった。 それなのに、20歳を過ぎたあたりから、パタッと描けなくなってしまった。 どれだけ新しい画材を買っても、描きたい何かを探しても、写真集を見たり、時に美術