何者になりたいのかわからなくなって頭がぐちゃぐちゃしたときに読む本のこと

年末に久しぶりに読み直したので、書こうと思っていたのに
冬休みに入って後回しにしてしまっていたお話。

私が「無人島に1冊だけ本を持っていける」と言われたら選ぶ本のこと。

二階堂奥歯さんの「八本脚の蝶」です。

編集者であった方がWEB上に公開されていた日記をまとめたものです。

(「であった」という表現をしましたが、彼女は自ら命を絶たれてしまったので、もう会うことが叶いません。最後の更新は、その直前に書かれています。全てアーカイブが残っているのでWEBでも読むことが出来ます。)



「何者になりたいか」「お前はなにがやりたいのか」と問われることが苦手です。

そのこととこの本についての関係、私にとってのこの本の大切さなどもずっと考えているのですが

その前に、私は自分の手元にある本をずっと大切にするだろうなあと思っていることについて。


私がこの本のことを知ったのは、たぶん10年くらい前に、穂村弘さんが雑誌で紹介されていたからです。
当時絶版状態だったのでしょう、書店で手にいれることが出来なかったのですが、幸い近くの図書館にあったので借りて読みました。
借りては返し、また借りて、を繰り返していたのですが、やはりどうしても欲しくなったので、
(なぜマーケットプレイスなどで買わなかったのか、ちょっと自分でも謎ですが、なかったのでしょう)
私は版元であるポプラ社さんにメールを書きました。
どうしてもこの本を手元に置いて大切に読みたいのですが、入手する方法はないか、と。

すると、すぐにお返事をいただきました。
在庫もなく、重版の予定もされていなかったそうなのですが、そのメールを見てくださった方が、もしかしたら、と倉庫の担当の方に問い合わせてくださって、少しだけ見つかったそう!汚れていたり状態があまりよくないものでもよければ直接購入させていただけるとのこと。わざわざ探してくださったことが本当に嬉しくて、すぐに注文しました。

その当時はまったく出版業界のことなどわかっていなかったのですが、今思うと無理なお願いをしたなあと思いますし、直接販売してくださったことなどがどれだけ有り難いことなのかがわかるようになりました。

そんな思い出があるので、その後、重版されることになり普通に書店でも購入出来るようになりましたが(そのこと自体はとても喜ばしい)私は自分が持っているものをずっと大切にすると思います。

そしてずっと読み返すと思います。

この本の好きなところについてはまた今度。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?