バースデートゥーユー/詩

もう好きではなくなったのに、昔好きだったあの子の誕生日をカレンダーは覚えていて、わざわざ通知してくる。

確かに心が通じ合ってた瞬間を、あの子はもう忘れてるかもしれない。

二人の間でしか使わない呼び名も、夜通しした話も、私たちだけの笑いのツボも、ハーフバースデーにした約束も。

忘れてるよね、きっと。
小さなケーキを反芻している私の中には、まだほんのり甘さと香りが残っている。

ほら、フーってして。

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