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バイオリン・ギムナスティックという指導法【初心者向けレッスン】


私のバイオリンレッスンでは、「バイオリン・ギムナスティック」という指導法を行っています。

バイオリン・ギムナスティックとは、特に初心者向けのレッスンで取り入れられる指導方法の1つで、バイオリンを正確に演奏するために必要なスキルを磨くことを目的とした指導方法です。

今回はちょっと専門的なお話になりますが、私の指導法「バイオリン・ギムナスティック」について興味を持っていただければ嬉しいです😊


一般的なバイオリン指導法


私がハンブルク音楽大学に在籍していた頃、さまざまなバイオリン指導法について学びました。

ここでは以下の3つを簡単に紹介します。

・Einsingübung (アインジング・ユーブング)
・Bewegungsspiele (べベーグングス・シュピーレ)
・Geigengymnastik  (バイオリン・ギムナスティック)


それぞれの指導法の主な特徴を、一部紹介した動画と共にお話しします。

Einsingübung (アインジング・ユーブング)


アインジング・ユーブングの語源は、「アインジング=歌う」、「ユーブング=練習」という意味です。

アインジング・ユーブングとは、旋律を歌いながら、弓のスピード、移弦・弦に合わせた左腕の角度のタイミング、押さえている左指の運指のスピード、左手のポジション移動のタイミングを練習するバイオリン指導法です。




Bewegungsspiele (べベーグングス・シュピーレ)


ベベーグングス・シュピーレの語源は、「べベーグングス=動きの」、「シュピーレ=遊び、演奏」という意味です。

ベベーグングス・シュピーレとは、正しい演奏(響き、音程、リズム、テンポ、強弱、アゴーギク、フレージングをしっかり実現・叶えている)をする際に必要な体の部位のポジションや、動きを確認、練習できるバイオリン指導法です。



Geigengymnastik (ガイゲン・ギムナスティック)


ガイゲン・ギムナスティックの語源は、「ガイゲン=バイオリンの」、「ギムナスティック=体操」の意味です。つまり、バイオリンを使った体操。

バイオリン・ギムナスティックは、日常的な動作を取り入れた自然なアプローチを用いて練習することで、バイオリンを正確に演奏するために必要なスキルを磨くバイオリン指導法で、時に初心者に向けたレッスンで取り入れられています。



バイオリン・ギムナスティックを始めたきっかけ・出会い


ハンブルク音大在学時に
参加した
プロジェクトコンサートの写真
左から3番目が私。


私は日本で高校を卒業後、当時お世話になっていたバイオリンの先生からのアドバイスもあり、すぐにドイツで新しい生活を始めました。

私がドイツへ移住した理由についてはこちらのページで紹介していますので、読んでいただけると嬉しいです😊

ドイツに渡り、ハンブルク音楽大学の教育学部に在籍していた際、私は「バイオリン理論」という科目を履修しました。

「バイオリン理論」とは、バイオリンを専門的に教えるために必要な指導方法について学ぶ科目で、生徒たちが直面する、技術的および精神的な課題を克服できるように、練習の本質やその意義を理論的に説明することを目的としています。

その中で、バイオリン・ギムナスティックという指導法に出会いました。

バイオリン・ギムナスティックの特徴


私のレッスンで取り入れているバイオリン・ギムナスティックには、次の特徴があります。

・初心者が気を付けるべきポイントが明確
・簡単な動きで、運動能力に関係なく誰でも実践可能
・自立性を育む


それぞれの特徴について簡単に説明します。

初心者が気を付けるべきポイントが明確


バイオリン・ギムナスティックの最大の特徴は、年齢やスキルにかかわらず、生徒さんが自宅で正確な練習を自己管理できるようになることです。

どの楽器でも、レッスンの時間よりも自主的な練習の時間が長いため、感覚的な表現(例:優しく弾く、丁寧に演奏するなど)は、曖昧で理論的な側面から逸脱し、理解が難しくなってしまいます。

私のレッスンでは、そのような言葉はほとんど使用しません。
バイオリン初心者が気を付けるべきポイントだけを明確にしたレッスンを行っています。

簡単な動きで、運動能力に関係なく誰でも実践可能


バイオリン・ギムナスティックは日常の動作を基にした練習法なので、特別優れた運動能力が必要なく、誰もが簡単に実践できます。

このため、小さな生徒さんでも簡単に練習を続け、練習習慣を身につけることができます。

自立性を育む


他の先生からの指導や、他の習い事が重なったり、異なる楽器を学び始めたり、財政的な理由から、生徒さんがレッスンを続けられなくなることはよくあります。

しかし、バイオリン・ギムナスティックを通じて、生徒さんそれぞれに合わせた演奏スタイルを確立できるため、レッスンを受けなくなるときが来てしまっても、生徒は自己主導で演奏を続けられます。



(弓を使った「バイオリン・ギムナスティック」も3つご紹介♪)



私は現在35歳になりますが、日々バイオリンを弾いていると、少なからず加齢による筋肉量の変化を感じています。

例えば、十分にストレッチをしなければ、肩の角度が前のめりになり、良い姿勢を維持できないなど、バイオリン演奏に影響が生じます。

ハンブルク音楽大学に在籍していた頃から、バイオリン・ギムナスティックを継続していることで、現在の自分の体・筋肉量に柔軟に対応したバイオリン演奏が続けられ、すごく助かっています。

私のレッスンでバイオリン・ギムナスティックを取り入れている理由


バイオリン初心者の生徒さんとのレッスンでは、毎回のレッスンを楽しんでもらうことが重要なことだと思っています。

そしてバイオリン演奏の上達には、レッスンを継続することが何より必要です。

バイオリン・ギムナスティックは、他の指導法に比べて、レッスン時に気を付けるポイントが少なく、さらに注意すべきことが明確なため、バイオリン初心者でも演奏することを楽しみながら、ストレスなくレッスンを続けることができる指導法だと思います😊

その他に行っている指導法では、バイオリン初心者のレベルでは、ややハードルが高い指導が含まれていることもあり、生徒さんのレベルに適さないこともあります。

そのため、私のレッスンでは、個々のレベルに合ったレッスンを提供するために、さまざまな指導法を共存させつつ、バイオリン・ギムナスティックを取り入れたレッスンを行っています。

今後も、多くの生徒さんと楽しいバイオリンレッスンを共有できることを願っています。

2023年開催冬季短期集中レッスンを受けた生徒さんからのコメント



弓の使い方、音の出し方、左手の抑え方等、基礎的な部分から応用部分まで、画期的かつ独創的な先生の練習方法で、集中して練習に取り組むことが出来ました。

悩んでいた箇所や弾きにくかった部分も、先生のアドバイス一つでスムーズに弾けるようになり、感謝しかありません。
曖昧な表現ではなく構造的かつ理論的に丁寧に教えて頂いたため、手に楽器が馴染むような感覚があり、頭の中でしっかり定着させることが出来ました。

先生と一緒に弾いていると自分が上手くなったような気になり….弾いていてとても楽しかったです。先生の美しい、輝くような音色を聞いて、自分もこのような音が出したいなと、音のイメージを掴むことが出来ました。

(桐朋音大卒業生社会人)

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