新潟の県庁インターンの感想
2021年の夏、新潟県庁で行なわれたインターンに参加しました。
コロナの影響で大学側と県庁側より許可が出たのでインターンに行ってきました。就活と同じような扱いで、将来働く病院と将来働く分野に関係するかもしれない分野なので、今回迷ったけど行くことにしました。
ちなみに、今回のインターンでは医学生のみが募集され、2回ワクチン摂取から2週間経っていること、県外からいく場合には、向こうでPCR検査を行ない、陰性が確認されることが参加の条件でした。
- 県庁インターンでは、どういうことをしたのか?
- どのようなことを求め、考えインターンに行ったのか?
について感想文を書いていこうと思います。
インターンってなに?何のために行くの?
部活から学生団体、個人単位でのインターンの参加と、近年の医学生の活動範囲が広がってきています。
- 大学で資料をもらったり、先輩とのパイプを作ったりするために部活に入る
- 特定の内容を学んだり、学外のコネクションを作成するなど
といった従来の活動に加えて、個人単位でインターンに行く人や企業とコネクションを持った学生団体に所属する人が増えてきている印象です。
一般的な大学生では、社会人になる前の予行練習的な立ち位置で参加したり、そもそも自分が就職をしたい企業へ行ったり、特定の技術やスキルを磨くためにいったりと様々な目的で行くことが多いです。
医学部は、卒業後にほぼ全ての人が医師になるという特殊な学部であり、初期研修をするということも含めると予行的な立ち位置や就職したい場所へと参加することは少ないような気がします。
僕は、個人単位で経験できないことや、ITの技術を学ぶために今まで他のインターンに参加していました。今回のインターンでは、行政に興味があったので参加しました。
新潟の現状と県庁インターン
新潟は現在、医師の偏在が全国1番だと言われ、医師不足が叫ばれています。しかし、その一方で医師確保の施作として新たな取り組みを行なっていますし、
その中で、医学生のインターンの受け入れや医師確保政策が拡充されています。
インターンの概要
インターンとして、行政医師の松本先生(@harrysanhvd2017)の下について見学したり、一部資料を作成したりしました。(実際に作った資料や文章がが知事への説明やマスコミの記事で使われました!)
インターンというだけあり、業務体験の他にも行政が行なっている仕事の説明や松本先生の講義を聞くなどして勉強する機会もありました。
見学の中には、知事やマスコミに説明する場などもあり、案を検討してから世に出すまでの一連の流れを見ることができました。
新しい新潟の臨床研修コース
新潟では今年のマッチングからイノベーションコース、海外留学コースのある臨床研修病院のコースが用意されています。
医師確保政策の1つとして上記2つのコースが設立されています。イノベーションコースは、マネジメントなど医学以外のことも学びたいと考えている学生に自己研鑽として研修期間の休日などに学習する機会を与えるというものです。また、海外留学コースでは、公衆衛生修士(MPH)や経営学修士(MBA)を海外で取得することができます。
これらの留学ではかなりの金額がかかるのですが、そのほぼ全てを出してくれる代わりに、特定の病院で勤務をするなどします。
詳しくは以下のサイトを参考としてください。
参加理由と参加前の状況
行政医師がどのようなことをしているのか知ることができるという貴重な機会であったため参加しましたが、それに加えて自分が興味のある分野が行政ではどのようになっているか知りたいということもありました。
- 社会医学系(産業医や公衆衛生など)
- 産業医になる場合でも公衆衛生は必要なので勉強したい。
- 行政は見ておきたいが見られる機会はあまりない。
- ITはどのように活用(制限)されているか?
- ICTプロジェクトがどのように走っているか?
- 現場レベルでは情報保護との関係からどのような工夫をしているのか?
- ソーシャルマーケティング
- 大衆へのマーケティング方法としてどのようなことを気をつけるべきなのか?
- 行政でのコラボレーション方法
- IT企業でのコラボレーションは経験あり
- 部活で一応トップダウン+リソース少ない状況でのコラボ経験あり…
- 疫学と統計のレベルは低い(疫学は0に近い。統計は前やっていたがだいぶ忘れた。)
ITはどのように活用されているのか?
大学2年生くらいからITに興味が出始めて趣味でITを使う、勉強するなどしています。IT系の企業インターンにも参加するなどしているのですが、個人レベルの使用とそれを実運用で使うのには大きな隔たりがあることを痛感していました。
このため、比較的自由にやることのできる企業以外に、制約の多そうな行政でどのように使われているか気になっていました。
病院でも個人情報保護の観点から制約が多いですが、行政でもかなり多かったです。
ソーシャルマーケティング
行政医師として、情報を伝えるためにはどうしたら良いのか?プロダクトのマーケティングやウェブマーケティングとはまた違ったマーケティングの方法は非常に興味がありました。
- 自分でSNSを使ってマーケティング
- IT企業でのマーケティング
と、個人レベル、プロダクトのマーケティングとはまた違った難しさがありました。特に、重要な情報を伝える方法などは上記のマーケティングではほとんどやったことがありませんでした。
行政でのコラボレーション方法
基本的に、僕のしおんブログ(https://yurudream.com)などの活動は全て1人でやっています。画像の作成を同級生に手伝ってもらったり、方向性の相談をななさん(@nana_016e)に協力してもらうことはありますがその程度です。
しかし、実際の社会で単身で突き抜けて活動するということはあまりありません。(少なくとも僕はそう思っています)このため、何らかの形でコラボレーションする経験はしておきたいと思っていました。
IT企業のインターンをすることで、同じような目標に向かってある程度の条件の範囲内でコラボレーションすることは知ることができました。また、部活で幹部をやっていたこともあり、システム(部活内のシステム)作成やトップダウン形式の集団の中でのコラボレーションはやったことがありました。
ある程度のものはこれでも大丈夫だったのですが、他職種や自分と異なる知識バックグラウンドを持つ人とコラボレーションすることはあまりありませんでした。
実際に、行政という場で医療職はほとんどいません。このため、協力して資料を作成するときには、それ以外の人でもわかるように作成する必要があります。インターンでもこれは医療でないだけで同じようなことが言えますが、医療という専門用語マシマシな世界の内容をわかりやすく絞って説明するのは少し大変でした。
疫学と統計
公衆衛生を検討していたり、社会医学系に興味があったりしても興味があるだけで特に何もしていないので、疫学や統計は超初心者レベルでした。
実生活でデータを用いる機会は少なく、ツイッターなどでRを使っている人を見ても特に何も思わずにスルーしていましたが、今回実際にデータを解析してみると疫学の不勉強さと統計の重要性を身に染みて感じました。
他のインターン生の中には、研究室に通って疫学や統計を勉強している人もおり、ラフに統計ソフトは何を使っているの?と聞かれる場面もありました。
これからの展望
実際に専門家として方針を決めてそこから相手に情報を伝えるための資料を作成して相手に応じて手法を変えるという一連の流れを勉強することができました。大体のイメージはできたので、研究室に遊びに行って、疫学や統計の勉強をしようかなと思います。
先日より公衆衛生の先生に協力してもらいながらSQLの勉強も始めているので、必要に応じて、SQLとRの勉強をしていくことになるのかと思います。
公衆衛生をより深く勉強したいと思った場合には、MPHの資格を取得することも検討していますが、金銭や渡航など検討すべき課題は多くなるのでとりあえずは保留にしようかなと思います。
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