相手の知性を信頼する
子供達へのサッカーの指導にて。
練習中にプレーを止めて、「今もそうだけど、こういう時あるじゃん?」と子供達に聞くだけで、「ああ〜あるね!そっか。そういう時はこうしようかな」「こうした方が良いかも」と、具体的な質問も説明も無しで話が広がる時がけっこうある。
「これは流石にある程度知らないと自力でアイデアはでないでしょ」なんて思ってることでも、意外とポンポンとアイデアを出したりする。
子供達はとりあえず喋らせとけば無限にアイデアを出してくるんじゃないかと思っちゃうぐらい。
私は全てを言いたくなってしまうタイプだが、子供達はみなまで言わずともけっこうわかるもの。
パソコンみたいにインストールしたり大量の情報を入力したりしなくても、自分で勝手にアップデートしていく。それが、知識とは違う「知性」。
そんな経験から、子供達の知性を信頼して、指導の言葉数をもっと減らすべきだと学んだ。
この「相手の知性を信頼する」がとても大事だと最近よく思うことがある。
知人の愚痴を聞いていた時のこと。
「あの会社は幹部がみんな何もわかってない」のようなことを言っていた。
現場の仕事を邪魔するようなシステムを入れた、ということから始まった愚痴での発言なんだけど、そこで私が思ったのは「みんなそんなに馬鹿なわけない」ということ。
けっこうな規模の会社なのだが、もしそんなに何もわかってない人達が幹部でやってきてたとしたら、たぶんそんな規模の会社にはならずに業績は悪くなっているはず。
「何もわかってない」と決めつけず、「そんなに馬鹿なわけがない。なにか理由があるはず」と考えたら、納得がいく理由も見つかったかも知れない。
「相手の知性を信頼する」上で、この「みんなそんなに馬鹿なわけない」というワードは、けっこう自分の目を覚ましてくれる。
「マンスプ」という言葉があることを知った。
「相手は知らないだろう」から「じゃあ自分が教えてあげよう」という思考になって、一方的に相手に説明をすること、だそう。
これも「みんなそんなに馬鹿なわけない」という視点が抜けているから起きることだと思う。
保護者と子供の関係でもよくある光景だと思う。
まあマンスプ加害者になりやすい私のような説明したがりは、相手がわかってないからじゃなくて、「全部説明できる自分を見て、褒めて!」という動機もかなりあるとは思うけど。
説明書が無いiPhone。
検索窓だけのGoogle。
シンプルで使いやすい。
これは相手の知性を信頼しているからこそ出来る設計だと思う。
使いやすさを追求した上で余計な説明を省く。
チュートリアルなんかなくてもすぐにプレーできた昔のゲームも実はそう。
「相手の知性を信頼する」は、よいサービスの提供にも繋がる。
もちろん、信頼しすぎて「説明ありでもわけがわからないもの」になってたら意味ないけど。
それは「信頼」じゃなくて「甘え」になるのかもしれない。
そういえば先日、ドミノピザのネット注文をしようとした時、使ってるワードとかサイトの作りとかが使いづらすぎて挫折して、ほかのピザ屋さんに注文することになった、ということがあった。
「こっちが思っている注文プロセス」からかけ離れすぎていて無理だった。
これもドミノ側が「そんなに馬鹿なわけない」ので、きっとなにか理由のあるシステムなんだと思う。
ただ私の知性では使いこなせなかった。
最近こんな記事も見た。
相手の知性は信頼しつつも、教えた方が良いこともあるから、教え方に気をつけて言おうね。
みたいなことが書かれている。(間違ってたらすみません)
教えるにしても、最初から何も知らないと決めつけると、平和じゃなくなる。
知人に、自身のことを馬鹿だと思っている人がいる。
それ故に「みんなは自分より何でも知っている」というスタンス。
「相手の知性を信頼する」どころか「みんなの知性しか信頼してない」状態の知人。
接客がある仕事をしているが、お客さんからの評判はとても良い。
お客さんはみんな、その知人にたくさん喋る。
全部「そうなんですね!」と本気で関心しながら聞いてくれるから、きっと気持ちいいのだと思う。
知性を信頼された側はこれだけ気分が良くなるものなんだな、と学んだ。
「これぐらいわかるだろ?」という上目線とは違う。
「あなたはわからないよね?」と思わないことが大事。
機械じゃないんだから、プログラミングしようとしなくていい。
人は、勝手に理解して、勝手にアップデートする。
「相手の知性を信頼する」
SNSのトラブルなんかも、これが出来ていないから起きてしまうことも多い気がする。
「みんなそんなに馬鹿なわけない」
私はまだまだ自分にそう言い聞かせる必要はありそうだけど、もっと自然に「相手の知性を信頼」できるようにしていきたいです。
以上。
この記事の文章が変でも、みなさんの知性で言いたいことを読み取ってくれますよね?
信頼してます(甘え)。
終わり
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