コーチ業と月謝システム

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コーチ業の話として。@shidousha_salon でも話したけど、月謝システムで食べていくなら「良い選手を育てる」はゴールにはなりづらいんだよね。
コーチの給料=保護者の財布、なんだからそこの価値観や需要に合わせる必要が出てくるし、給料=選手数だから1コーチや1グラウンドあたりの選手数は多くする必要がある。狭い中に詰め込むようになるってこと。そうなるほど選手一人一人と向き合う時間なんて作れないよね。
しかも少子化&エンタメ過多なこの時代で、その少ないパイを取り合うのが現状。「うちのメソッドおいしいよ」の応酬。

その月謝システムでコーチの暮らしを維持しつつ選手を充分にサポートするなら、たぶん月謝を5万円/選手ぐらいもらう必要がある。じゃあサッカーにそれほどの価値があるか?と言われると、怪しいよね。
各々のクラブやコーチが目の前の選手数のために保護者受けする結果を出し続けることに力を注いでいたら、サッカーの価値なんて上がるわけない。でも正直なところサッカーの価値より自分の暮らしじゃん?

Jリーグのアカデミーですら各世代のコーチがクラブのスクール業やらで朝から晩まで動き回って自分の給料を賄ってるんでしょ?クラブの名前を借りたフランチャイズみたいに。そうなると選手数を増やすために良い選手を!って目的と手段になる。しかも他のことをする時間も作れないぐらい激務の中で指導にあたってる、って考えると、指導レベルをあげるのはしんどいよね。

だからね、月謝システムでコーチを養ってくのは難しくなってきてると考えてる。保護者の財布には限界があるからね。

ほんとはさ、例えばJリーグのアカデミーだったら、選手の販売価格でコーチ達を養うのが理想なんだよ。コーチの給料などアカデミーの維持費は“投資”で、その後の成果で回収する仕組み。そこでリターンが期待できないなら、その部門はビジネスとして要らない。買い手が国内ばかりになるんじゃなくてちゃんと海外にも売れるような選手にして行く必要も出てくる。理想的でしょ?目の前の選手数じゃなくて最終的な選手の販売価格=コーチの給料になれば、指導も変わるしやりやすくなると思う。そして売る人(代理人など)の需要も出てきてお金が回るようになるね。

民間のクラブ/スクールはどうしたら?って話になるかもだけど、そこはもう「コーチやってる目的はなんなの?」による。「コーチという職業で食べていければ何でも良い」って言うなら子供を1ヶ所に集めまくって既存の月謝システムでお金をもらう方法を考えればいいし、「良い指導を提供したい」「日本サッカー界のレベルを上げたい」とかそういう思想があるなら、その良い指導を定義して、そこからの逆算でその指導を提供できる環境作りのためのお金集めを考える必要があるだろうし。

Jアカデミーもそうだけど、フィジコやドクター、メンタルや家庭のケア、にもお金をかけるのが最高の環境って考えると、どこに投資してどんなリターンをどう得るか、っていうお金の使い道はとても大事よね。「有名コーチ1人に多額の給料」とか、実際に充分なリターンを生んでるのかってね。
トップ選手の人件費削って下部のフィジコとドクター増やした方が有益だったりするかもよ?

いろいろと飛んだ話になったけど、指導レベルを上げるには指導の知識がどうこうだけじゃなくて身を置いてるシステムがそこに影響するよって話。
まあ現状の日本におけるサッカーの価値を考えると、民間のクラブ/スクールのコーチは本業を持ちながら、場所と用具と交通費を賄うぐらの月謝をもらうボランティアシステムでやるのが一番合ってると思う。
金に欲出して、広告になるAチームのためにBチームCチームで集金、なんてのが、良い選手が生まれるシステムからは最も遠いと思ってる。まあ思想によるけど。
以上、理想論。

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