for serendipity1085 「詩による社会変革は可能か」
詩人・石垣りんさんのエッセイ集『ユーモアの鎖国』(1987)より。
いつか書店でパラパラと詩の本をめくっていたら、「詩による社会変革は可能か、不可能か」というアンケートの設問がとびこんできました。私はとっさに、可能でないならつまらない、とひとりで答えてしまい、あと、だれがどのように答えているか、読みそびれましたが、ひとつの変革、次の展望、新しい生命、価値観の転換、その方法、手段などに、表立つことなく何らかの形で加わる力がないならば、目を洗う、というちいさなことすら、詩がなしとげることはできないのではないでしょうか。自分の詩を棚に上げて考えたことです。(214ー215p)
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