見出し画像

走る車

 フェイスブックを開くと一年前の投稿が表示された。写真の藤棚は山の麓にある公園で撮影したものだ。先日、そろそろ藤の花が咲きはじめるころかと向かってみたのだけれど、数十メートル手前で『休園』の看板が見えてUターンした。


 喫茶店でのんびり読書をするということができなくなって、四月のあいだは公園の駐車場や海岸沿いの駐車場に車を駐めて本を広げたりした。

 波の音、葉擦れの音をBGMにする贅沢。今はそういった場所も封鎖されている。連休が終わればおそらく閉じていた場所も動きはじめるのだろうけれど、また同じことが繰り返されるかもしれない。


 失いかけて見えてくる失いたくないもの。

 それが執着なのか、それとも本当に大切なものなのか、そんなことを考えながらハンドルを握っている。
 

よろしければサポートお願いいたします。書き続ける力になります!🐧