見出し画像

【MOTHER3】サザエの壺焼きみたいな味わい【感想】

おもむろに、書いてます。MOTHER3の感想、のようなもの。
(クリア後に読んでくださいね。)




はじめに:プレイ歴とか(読み飛ばしていいです)

ざっくりと、MOTHER3というか、MOTHERシリーズのプレイ歴といいますか、一応説明しておきます。

子供の頃の私は、ゲームをラスボスのちょっと前でやめてしまう癖がありまして。自分一人では、クリアしてないものが多いんですね。他人のプレイとかで、エンディングは見てはいるのですが…。
なので、クリアしたのは実は初代MOTHERだけな気がします。多分。(記憶が定かではない)
その癖、なぜか、また最初からやったりするので、クリアはしてないのですが、周回はしているんですよね。

大人になって、Switchで全シリーズが配信されました。嬉しい〜〜。(WiiUのVCでも全シリーズ触っていたりします。)

それで、身内のプレイの助手席役ではあったですが、MOTHER3までシリーズ全て、改めてエンディングをしっかり見届けたので、ふと感想を書いてみようかと思い至り、今、書いてます。

ざっくり感想:サザエの壺焼きみたいな味わい

ざっくりと感想をまとめるときに、何かに例えるとわかりやすいかなと思うんですけれど、MOTHER3というゲームを何かに例えるとするなら、「サザエの壺焼き」みたいだなぁと、思いました。(わかりやすくないかも)

というか、これが言いたかっただけですね。我ながらうまいこと言ったぞ!って思っているわけです。ほくそ笑んでいます。もう言ってしまったので、この後の全ての感想は読まなくていいレベルです。

で、何がどう、サザエの壺焼きなのだ、と。

サザエの蓋

まず、サザエの壺焼きには、蓋があります。蓋があるので、貝の中身の身の部分が見えてこないんですけど、これが、物語の冒頭が、平和そうな、牧歌的な、仲の良い家族に名前をつけるところから始まる部分に思えます。MOTHER2からプレイした人からしたら、それはもう、平和でたのしそーな、ちょっと癖のある、でもワクワクするような冒険が待ち構えてそうだな、と思うような見た目ですね。ですが中身は全然違ったものですので、そういうものが蓋で隠されていると。

サザエの味

そして、サザエの壺焼き自体の味。私は焼いた貝がとーーーーーっても、大好きなのですが、牡蠣とかホタテとかはまぐりとかホッキ貝とかアサリとかなんでもですね。で、子供も大人もみんな好きそうな代表的な焼き貝はやっぱり、ホタテのバター醤油焼きかなと思うんですけれどね。
ホタテって、甘くて、クセがなくて、食べやすいじゃないですか。対して、サザエは、なんかこう、なんとも言えない苦味というか、えぐみみたいなのが、ほんのり、ちょうどいいくらい、あるんですよね。醤油と相まって、独特の熟した何かの味を感じます。
糸井さんがニンドリのインタビュー(アーカイブ)でも言ってたと思うんですけど、こう、MOTHER3の大人向けな部分があって。その、なんとも言えない大人な味の部分が、重なるなと。

サザエの構造

さらに、サザエという貝の構造。ぐるぐると渦巻き状の貝です。渦巻き状の貝といえば、マジプシーたちの家がそうですし、MOTHERだと、マジカントにある家がそうですね。マジカントについてはちょっと後述で触れますけれど、渦巻き状の貝自体が、ある意味なんか、MOTHERっぽい要素かもしれないです。
で、サザエには、しっぽと呼ばれる部分があります。苦いですし、なんていうか、グロいです。肝ですからね。でも、そこが、「キモ」なんですよね。……ね。苦い部分が、MOTHER3のキモですよね。

蓋を開ける楽しさ、愉快な渦巻きの見た目、奥へ進めば進むほど、グロくて苦い……だけど、それがえもいわれぬ美味しさ。そして、たまに、どうも食べたくなる。これが、とっても、MOTHER3だな〜と思うんですよね。

子供の頃、発売当時と比べて

子供の頃当時のMOTHER3は、何せクリアしてませんので、確かカバプールくらいまでで、クラウスと戦っていないんですよね。もし戦っていたら相当にショッキングだったと思うんですよね……。そこでショックを喰らっていたらもうちょっと違う大人になってたんでしょうか。

今も変わらずですが、オソヘのお化けたちのパーティやってるあたりが大好きでしたね。哲学的なジョークというか、哲学してそうでしてないというか、考えてもわからないことをこねくりまわしてふざけてハジけてる感じが、大好物なんですよね。なので、基本的にはそういう、「奇妙でおもしろい」の部分を楽しんでいて、「せつない」の部分は、ショッキングではありましたが、あまり頭に入ってこなかったと思います。

それが、大人になると「せつない」の部分が、人生経験の蓄積故に、常に大打撃を喰らわせてくる上、大人の事情的な、ゲームの作り的なメタ的な部分だとか、考察的な知恵を身につけたりだとか……そういう、複雑になってしまった頭がさまざまな角度から楽しみ始めるので、妄想が広がりまくって散らかって、てんわやんわな作品だなぁと思うようになるのですよね。

本当にさまざまな要素が詰め込みまくられた作品なので、それぞれの要素への感じ方がガラッと変わることも沢山あるのですが、雪山に居るリディアちゃんの、あったかくて優しい感覚は、ずっと同じままですね。

エンディングについて

他プレイヤーの方々の、さまざまな考察をさっくりと読んだり、没データについて学んだり、あ、そうそう、この没データ、つい最近知ったんですよ……。ずっと知らなかったんですけど、知らなくてよかったです。だって超怖いし。うっかり知らなくて良かった。知ってしまいましたが。タネヒネリ島とか、MOTHER2にしたって、ギーグとか怖すぎるしスリークのバグったようなホテルBGMとかムムーーンンササイイドドへへよよううここそそ。怖すぎます。精神崩壊というか不穏系ホラーマジ怖くて無理です。でも多分好きなんでしょうね……。

バッドエンド?ハッピーエンド?

で、そういう知恵がついた状態であらためて、エンディングを私がどう思うか、なんですけれども。

昔は、ハッピーエンドだと思ってたんですよね。もう純粋に。でも、改めて思うと、ハッピーエンドじゃなくて、超絶めっちゃ現実エンド、なのかなぁって。物語を演じていた人々は、ここから初めて、現実を生きる、って感じがしました。

まず、画面が真っ暗になる前の、世界が崩壊するシーンですが、あれ、助かるわけないじゃんってレベルで世界が崩壊してます。ブタマスクの乗ったヘリは結構な高さから墜落してますし、死人が出てないのだとしたら不思議すぎるので、全員一回死んでるよね、これ……

確か、真っ暗な場面で誰かが、めっちゃ痛くなるような気がしたけど、なんか、生きてるし大丈夫、みたいなことをいうんですけど、これが、どうにもハッピーエンドには思えなくて、この、みんななぜか大丈夫、という状態は嘘なんじゃないか。幻か夢か何かで。だから、死んだ後の人たちが、死んだことに気づかず、プレイヤーに精神だけでお礼を言ってるみたいな、そんな風にもとれそうな気がしてたんですが。でもそれはなんだかしっくりこない。

現実に、恐竜の絶滅後から人類が存在している今まで、さまざまな災厄が人類を襲っていて、当然、亡くなった人たちは沢山いるのですが、でも、人類は今のところ絶滅していません。
そんなふうに、何か大きなことが起きてしまっても、脈々とつづいている、人類の生きている世界の現実に、つまり我々と大差ない現実の状態に、エンディング後は近しい状態になったんじゃないかと、そう思います。あの真っ暗な場面に、クラウスとヒナワらしき人物は描写されていないので、少なくとも、ご都合ハッピーではないんだろうなと思いました。

めっちゃ現実エンド

PSIの存在する世界なので、ドラゴンの復活により、超特大範囲回復スキル発動みたいなのはありそうなんですけど、みんな大丈夫、元気、といいつつも、実際には、結構瀕死だったり、色々失っていたりする人も居るのではないかなと思います。なんとなく。

ポーキーが別の時代から呼んでしまった人たちも洗脳が解けて、多くの人に世界の真実が明かされ、しっちゃかめっちゃかというか、だいぶカオスな状況かと思いますが、そのカオスな状況って割と現実ですよね。

そして、「そっちの世界はどんなふうだい?大丈夫かい?」といったことを聞かれるのですが、クリア後にこちらに明確にコンタクトしてくる感じが、物語の終わりと、現実との繋がりを感じさせます。

お互い、なんとか、やってるよな、と。

余談ですが、以前に映画マトリックスと聖書を合わせた考察ブログみたいなの読んでたことあるんですが、それと仏教の要素も合わせて、物語の世界、仮想の世界が壊されて、真なる覚醒、解脱?覚者に俺はなる!みたいな、そういう読み方もできそうな気もしてきました。なんでもありだなぁ。妄想は広げる分にはいくらでもいけますね。

ドラゴン、ノーウェア島について

結局、ドラゴンってなんなんでしょう。物語中に頻繁に語られるにもかかわらず、グラフィック、姿形は一切出てきません。針と繋がっている、とされているだけで、なんだかよくわからないです。通称ドラゴンなだけで、もっと全然別の違った存在なのかもしれません。

が。MOTHER3には物語冒頭に象徴的なモンスターがいます。「ドラゴ」です。なんていうかそのおかげで、ドラゴン、居るでしょ。という気持ちになります。メカドラゴと対峙するフリントの戦いは、考えられうる限り最悪の戦闘だったと思うのですがどうしてあんなシナリオなんですか糸井さん!!!!というのは置いといて。

人とドラゴン

さっきちょうど、恐竜絶滅の話をしたんですけど、そういえばこの地球って星はもともと、恐竜の世界だったんですよね。人類の誕生は今のところその後とされてますよね。そんな感じで、MOTHER3の世界では恐竜が絶滅してなかったのかなぁ。

とはいえ、MOTHER3の世界って人類が滅ぼしたあとの世界なんですよね。であれば、人が好き勝手できるということなら、ドラゴンとか絶滅してそう。でっかい恐竜みたいなのが跋扈していたら、ちょっと文明が育ちそうにないですよね。それで、人類が滅ぼしたその世界に、ノーウェア島だけは無事存在していて、ドラゴたちが原住民なんですよね。ただ、オソヘ城には確実に普通に人が住んでるし、当然マジプシーは守り手なので、人とドラゴは共存してるんですよね。めっちゃ不思議な島です。記憶を操作する技術持ちの文明レベルからして、人工の島なのかなぁ。そうなると、ドラゴンというのも人工の存在っぽい気がしてきました。

マジカント説

どなたかの考察で、ノーウェア島=誰かのマジカント説がありました。ノーウェアって、Now Here であり、No Where、なので、すっごくそれっぽいです。先述の通り、渦巻き状の家がある時点で、この島自体がマジカントっぽいですし、なるほど納得な部分もかなり多いです。白い船に乗って移動した生き残りの人たちの技術からして、この島が、元いた世界とはまったくの別の次元の存在でもおかしくないですからね。

そうだとすると、そのマジカントの主=ドラゴンなんですかね。リュカとクラウスだけが針を抜けるのは、ドラゴンこそがリュカとクラウスの実体だから、とかなんですかね。全くわかりません。

主要なキャラクターについて

ポーキー

ポーキーって、メタ的には、ファンサの存在で、MOTHER2の要素をファンサしてくれるために存在している、なんて言ったら全然面白くないので、彼自体の人生を掘り下げた方がいいですね。

糸井さんも言ってましたが、「あれは、親が悪い」と。
そうなんですよ。親が悪いんです、めちゃくちゃに。親というか、生まれ育った環境が非常に不幸なキャラクターです。ポーキーがそこを背負ってしまったから、ピッキーは冷静なやつなんでしょうか。ところが、本人はその不幸を、心のものすごく奥でくらいにしか多分不幸には思ってなくて、思いっきり楽しんでます。そこがほんともう、最低最悪の存在なんですよね。

MOTHER3では最後の方に、確か、ポーキー型のメカが、「ぼくは、本当は、こんなに素直な少年です。」と言ったあとに肯定的に答えると、「ありがとう」と言ってくるんです。いやずるいですねぇ。こういうところが、めちゃくちゃつらくて最低最悪の存在だと感じます。

絶対安全カプセルに入って大正解なんですよ。本当に。大正解というか、もう、そうするしかない存在と化してしまってるんですよね。だけど、大正解だと答えると、アンドーナツ博士が「ほんとうにそうかなぁ」と言ってくるんですよね。そこがいいですよね。MOTHER3って。いじわる。

リュカ

リュカってなんで、こんな辛い思いばっかりしなきゃならないんでしょうね。MOTHER2のネスは、あったかいおうちがあって、比較的いつでもテレポートで帰って来られて、大好物が食べられるんですよね。

でもリュカは、安心できる拠点がない。家の中はちょっと休憩室みたいなBGMが流れてて特別感はないです。そんな、あくまで休憩室の家すら、雷で焼かれる名所になっちゃうし。ドアノブ取れてるし。ボニーが居て良かったよなぁ、本当に。逞しい強い子ですよ、リュカ。超尊敬。えらい、えらすぎる。思いやりのある子なんですよね。

でも、ただ強いだけの人じゃないです。弱さを自覚しているゆえの強さというか。タネヒネリのクラウスが言うんですよ。「ぼくととりかえっこしようよ。」って。あれ、リュカの見てる幻覚なわけですから、クラウスに対して、責められている感覚と同時に、自分が代わってあげられたらどんなに良かったかみたいな気持ちもあると思うんですよね。多分。つらい。だからこそリュカはずっと前向いて戦ってるんだと思うんですよね。背負ってんですよ。それが、クラウス戦の時に、攻撃できなくなっちゃうんですよ。どうしたらいいかわからんって。あーもうだめ。無理。

ボニーが居て良かったなぁ……。もちろん、他の心強い仲間達もですが。

ヨクバ

ヨクバについては、最初の方に紹介したニンドリのインタビューで結構解説されてましたので、語ることがあんまりないんですが、感想としましては、力あるものが悪に惹かれるとやっかいだなぁって。その人にとっても、周りにとっても。ほんとに。人間って、そういう生物なのが、どうにも、やるせないですよね。

奇妙でおもしろいとこ

MOTHER3って、こんなことしたら、おもしろくない?というものから、いや、特別おもしろいというわけではないし、もしかしたら無駄なものなんだけど、そういうものもあるよ。だから入れてみたわ。なんとなく。みたいなものまで、さまざまあります。代表的なものでいえば、「イルカのじこつ」とか。ニッチなのでいえば、「ヤドカリのヤド」とか。レオレオの「てあみのセーター」とか。そういうの、大好きです。

モブキャラのセリフとかも、シニカルだったり、なんかこう、なんともいえない普通の人っぽい、物語に関係ないどころか、世界観的にも全く関係ないことで、言う必要ある?みたいなセリフが多いです。例えば、「おんなのさ、おばさんってさ、フランス料理とか好きだよな」という雑談をしてくる人とか。

具体的な結界こと、「けっかいトリオ」とか、「ネガティブマン」とか。不思議生物も多々いますが、その存在が、ギャグです。ただ人を笑かそうとしてる感じではない、じわっと這い寄ってくるようなギャグ。

言葉遊びもおもしろいです。特にやばいのが、「アニアニオトウト」のモンスター解説。

”がにさばくようなこえでオトウトオーとうたげる。なななをはらよけきるとオトトッとうどけだす。”

この、わかりそうでわからない謎の文章からうっすらと感じる狂気……。ヤバいです。基本的に狂気が多い気がします、このゲーム。頻回にわたって狂気を浴びさせられる気がする。

小さな生き物のチョイス

MOTHER3には結構、小さな生き物が、それも、普段あまり主役にならないような生き物が強めに出てきます。カエル、ヘビ(ひもへび)、オケラ、ヘコキムシ。犬猫とか鳥とか、そういうんじゃなくて。

それがとても特徴的ですよね。人間にとって身近ではあるけど、特別意識するかって言ったらそうでもないみたいな、そういうやつらも、この世界には結構いて、効率だとか、より良くなろうとか、逆に、落ち込んでる時だとか……そういう時には見えてない奴らが、いっぱい出てきます。心に余裕があってなんも考えてないみたいな時に見えてくるようなものが多いですね。

そういえば、私の好きな、星占いで有名なライターの石井ゆかりさんが、「そこにあるんだけれど、私たちとは全く、まるで関係がないので、見ることも触ることもできず、とにかく認識知覚することが出来ないけど、でも存在している、という存在があったりするのではないか。」みたいなことを言われてたのを思い出しました。そんなに関連した話ではないんですけど、そういうことを思い起こさせてくれます。

まとめ

いや、まとまんないです。
MOTHER3という世界は、どこまでも広げられるし、どこの要素を拾って語り始めても、お酒が飲めそうな世界なので(私はお酒飲まないんですけども)、まとめられません。まとまっているとも言える部分もあるけど、まとまってない世界だと思います。あ、そういうことじゃないですね。私の文章力の問題でした。

そういうわけで、まとまらずにおわります。

おわり。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?