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クレカか俺の心臓、先に止まるのはどっちだ!

クレカはもういらんと、さっきも言っただろ

社会人になるとやたらと勧められて作ったクレジットカード(以降クレカ)。もう50歳を過ぎた今でも、家電量販店たらなんたらでカードづくりを勧められる。いらん。もう、僕は人生の店じまい準備しているところなんだ。人生の2/3が終わったものとして、クレカのキープ力のみ必要なのだ。

心配性な自分が墓穴を掘るということ

僕はクレカを二度紛失して、二度止めたことがある。だがね、二回とも出てきたのよ。止めたその日に。一回目は財布の奥、二回目は買い物の袋の中から。ちなみに僕は神経質を絵にかいて、データにして取り込んで、3D化してプリントアウトして成型したような存在だ。と思う。

そんな僕が二度も同じ失敗をしたのだ。買い物から帰ってきたら、財布にあるはずのクレカがない。汗が出る。汗なのだろうか、もうこれは不安体液と名付けていいのではなかろか。冷たい、ツツ―ッとしたアレだ。

一度目のクレカ失踪事件、どこいった?

まだ結婚する前・千葉行徳の寮暮らしの頃。新卒フレッシュの僕は、京都から千葉へ。かなりの手ぶら感で実家から引っ越し。寮には特に何もない。

4月は京都で研修、5月は千葉へ。初任給を片手に家具も買わねばならなかった。近くのニトリへ。初任給がターゲットロックオンしたアイテムは「敷布団」OR「ローテーブル」の二択タイム。迷うことなくローテーブルを選択。

引っ越し時の段ボールをテーブル代わりにしてメシを喰うのはなんとも、切なすぎた。段ボールの中に本を詰めておかないと、テーブルにもなりゃしない。実家ではベッド暮らしだったので、敷布団がなかった。

敷布団も必須アイテムだったが段ボールでも構わん。保温性とクッション性に優れた段ボールよ、君はテーブルにはなれなかったが、敷布団にはなれるんだよ、と。ローテーブルを担いでニトリレジから寮までドアツードアで20分。手がちぎれそうに。帰宅後、レシートを整理。でクレカ紛失に気付く。
クレカ止めて、3時間後に財布の奥から発見。なに?逃走中?逃げ切られたってわけだ。

二度目のクレカ失踪事件、帰って来いよ!

二度目は結婚してからだ。一度目のクレカ失踪事件から15年後だった。2015年の夏。妻から稟議承認が下り、プレステ4を買ってもらった帰りだった。もちいつものあのクレカで。帰宅後、ハイ!保証書にレシート貼っておこうと。

財布を見ると、クレカがない。あれだけ欲しかったプレステ4。今日最高の一日になるはずだった土曜日。探しても見つからないから、カードを止める。プレステ4をセッティングする気も涌かない。オプションで買ったケーブル。その袋から、「こんちわ!」ぐらいのテンションで出てきたアイツ。

あれから9年。そういうわけで、クレカだけでなくキャッシュカードの類の扱いにはとても慎重になったのだ。だれだってそうだろうけど。

タイムラグで出てくる探し物、遊んでるのかキミ!

探し物は探すのをやめたときに出てくる法則、あるあるだろう。いや、ないないから、探してるんだけども。探されているときは、時空を歪ませてタイムホールのなかに潜んでいるのだ。

PCのマウス、スマホ、財布そのもの、手帳、眼鏡、プレステ4のコントローラ、モバイルバッテリー、自転車の鍵、テレビのリモコン、病院の診察券

だれもが、失踪経験を味わったと思うのだ。そして、二度と会えないということもなく、再び巡り合えた人の方が多いと思うのだ。探し物は追われたら逃げる恋人のようなものだ。既読になる前にガンガン送り続けてはいけない。既読にならなければ、待つのだ。それこそ、相手からの連絡が一度二度あっても、既読にはしない。こちらは、完全にお前のことなど無視してるかんな!ぐらいの覚悟が必要なのだ。

そうすると、ねぇねぇと自ら出てくる。もうこの出方は、自首だ。出頭しているに近い。君が隠れていたことで、こちらはどれほど心配し経済的損失を食らったことか!そう責めたくなる気持ちもわかる。だが、ここで責めてはまた逃げられる。

汝、クレカを責めることなかれ

二度目のクレカ失踪、原因を追究するならば一度目の失踪時そしてひょっこり自首したときに「責めた」のだ。もう使えなくなったこのカード(クレカのカードそのものね)、キッチンの汚れ取りぐらいにしか使えない。次のカードが届く際には、書留だから自宅待機だ。そんな苦労から、出てきてくれたカードを責めたのだろう。

だから、二度目の失踪につながった。
え?頭おかしくなったかって。ここで学ぶべきは、責めるのは「自分自身だった」だろう!ということなのだ。カードを使ったら、おつりなんかないんだから、すぐに財布の所定の位置に戻す。指定席に着席だ!

自分で自分の仕掛けた罠に、足挟まれる

カードの情報はアプリで管理できる。明細は紙からウェブやアプリに切り替える時代、僕もその流れに乗った。毎月紙の明細発行代も削減できるし、なんてたって環境にいい。カードを利用したら多少のタイムラグはあるものの、使用の通知(金額と場合によってはどこで使ったか)の連絡がスマホに来る。ロック画面にポーンと表示されるようにしている。

が、これが罠だった。

不正利用を阻止せよ、どこに連絡だ!

Amazon・楽天で買い物したら、ほぼすぐにポーンと連絡が来る。どこで買い物したかまではまだ決済完全完了していないので出てこないが、金額で付け合わせればわかる。通販で¥1,000の本を買えば、¥1,000の通知が出るということだ。

自宅で原稿を書いていた。昼過ぎ、ポーンとクレカの通知だ。ん?タイムラグかな?いやこの数日はカード利用していない。Amazon・楽天の購入履歴を確認。ポーンと通知の金額に全く合致しない。なんだこの¥11,205ってのは。半端すぎる金額。わからない。その20分後、またポーンと通知。¥2,510というまた半端な金額。わからない。汗が止まらない。

こ、これは「不正利用」ではないのか!?ネットで調べる。カード会社の問い合わせ先を調べる。だが、地獄のループに陥る。ネットのマイページにログインして云々カンヌン。アカン!電話だ!カード会社の電話をネットで探し出し、直電。一刻を争う!

オペレーターさんにつながった、事情を説明。個人認証のステップをいくつか踏んだ。大昔のカード紛失の際はこんなんいステップ踏んだ記憶がないがきっと厳しくなったのだろう。

この中途半端な金額の正体を、あくまでも仮定ということだったがスマホの利用料金ではないかということだった。

そうだ、ポイントが溜まるからといって、乗り換え時に銀行引き落としからクレカ引き落としに変更したのだった。スマホのキャリアアプリを立ち上げ、請求明細を確認。むぅ、一致した。

生きるって、管理なんだよ

人生は忘却の積み重ねである、なんてことを思い出しながら。二度のカード失踪事件と不正利用疑惑、すべての責任は我にあり。特に不正利用疑惑は利用履歴の通知表示をオンにしたことで、逆に今まで見てなかったタイミングでのカード決済を知ることになりパニックになったのだった。

全ては自分の責任。50歳になってもまだこんなパニックごとがあるなんて、でもね、自分ッ。生きることって、管理だもの。そして人間が管理している以上、管理不行き届きもあろう。今度ばかりはクレカそのものを責めない、アプリも責めない、己を責めるのだ。そして、もう何も起きないでねと。

という話を後日談で妻に話をしたところ、「話が長いからわかりにくい」と結論から話すように言われました。今日も生きてますよ!

おわり


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