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【ほっこり読める小説】塩のサジ

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オリジナルの小説を書こう!と長年の夢を形にしました。「塩かげんのサジかげん」と題し、省略して「塩のサジ」。10分程度で読めるショートショートをベースに書き連ねていきます。まずは、…
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#小説

【連載小説】フラグ

第一話:フラグ 会社を辞めようといったのは、デュークからだった。辞めてどうするんだ?と訊…

塩かげん
6日前
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【短編小説】特潜・実谷重綱が伺う

 沢城壮太は、震えていた。足もとからガタガタと震え、全身に悪寒が走る。風邪の時とは違う。…

塩かげん
1か月前
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パンとサーカスと、自転車に乗って【3】

第三話:多用する読点 正美は集中治療室などではなく、普通の大部屋にいた。スマホとタブレッ…

塩かげん
2か月前
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パンとサーカスと、自転車に乗って【2】

第二話:カオスなショー 義務教育だから退学なんてわけにもいかず、正美はそのまま地獄の二年…

塩かげん
2か月前
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【短編小説】バカは死んでも治らない

 伝説の勇者というと、聞こえはいいけど簡単に言えば人殺しだ。もう少しマイルドに言うと魔物…

塩かげん
2か月前
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パンとサーカスと、自転車に乗って【1】

第一話:パンとサーカス パンとサーカス、食料と娯楽で満足になって政治に無関心になるという…

塩かげん
2か月前
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死神を面接

「じゃぁさぁ、もう他にウソはない?言ってないこととか。全部、今なら考慮するから」 「いや、まだ少し…」 「まだ、あるの?」 「いや、他にないって聞いたじゃないですか」 「ウソがありすぎなんだよ!」  鷲見修二はドンと事務所の机を叩いた。その拍子で湯呑がひっくり返った。 「あぁああぁ、ったくもう、ティッシュ、ティッシュ」 「あ、はい」 「これ、ハンカチ、いいの?」 「どうぞ、使ってください」  阿久津正一は鷲見にハンカチを渡した。鷲見は遠慮なく、机にこぼれたお茶を拭いた。アツ

隣の殺人鬼はノーカウント【SIDE-B】

SIDE-B 前略、笹岡倉穣一から殺人鬼へ   窓越し、またあの夫婦が騒いでいる。相変わらず朝…

塩かげん
3か月前
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隣の殺人鬼はノーカウント【SIDE-A】

 SIDE-A 拝啓、依田慎太郎と麻衣子から、殺人鬼へ  朝、玄関先に犬が死んでいた。死んでい…

塩かげん
3か月前
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きっと、勇者のいた会社

「申し訳ありません。はい、先方には納期変更の連絡、はい、今から、はい。私も、はい、伺いま…

塩かげん
3か月前
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昼メシな総務課【第一話・サムギョプサル】

 会社の総務部総務課はいわゆる掃きだめのような部署だ。一線から退いたというと聞こえがいい…

塩かげん
7か月前
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昼メシな総務課【第二話・餃子】

 前回アップした総務課動画はそれからも伸び続け、一週間も経った頃には二十三万回再生で落ち…

塩かげん
6か月前
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【短編】隕石に、眠る

 不治の病って、ふじの病なのか、ふちの病なのか。どっちかなんて、まぁ今考えても仕方ない。…

塩かげん
6か月前
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【短編】ノート

 先に入ってて、と言われて居酒屋に一人で入るのはなんだか嫌な気分だ。もう三十三にもなるんだから、いい歳した大人なんだけど、なんだか不安になる。  もし、来なかったら、一人でチョット食べて少し飲んで、連れ来ないんでって、店員さんにも言って、帰る。あぁ、考えただけでもめんどくさい。早く来いよ、優子。  優子とよく待ち合わせする居酒屋だが、一人で来たことはない。ざっとテーブルが十ほど、あとはカウンターに椅子が五つ。焼き鳥のイイにおいがする。とりあえず、ネギマとモモをタレで、あと