見出し画像

信州ダービーはどこの局が中継するのか予想してみる

松本山雅がJ3に降格したことで実に2011年以来、11年ぶりの公式戦となった信州ダービー。そして、Jリーグでは初対戦となります。

1月21日(金)に明治安田生命J3リーグの公式戦日程が発表されますが、それと同時に発表されるのが、テレビ(ラジオ)中継予定なんですね。

Jリーグはオフィシャルブロードキャスティングパートナー・DAZNによって全試合配信が決まっていますが、そこに合わせて地上波およびBS・CS・ラジオ中継の予定も決まってきます。

そこで私個人的に気になるのが、信州ダービーはどこの局が中継するのか。

長野県内で(おそらく)注目されるであろう信州ダービーの中継権を得るのはいったいどこの局なのでしょうか。

これまでの山雅のテレビ中継の歴史を踏まえながら予想してみたいと思います。
(かなりマニアックな内容になってますのでご了承ください)

松本山雅とテレビ中継

まず、松本山雅の公式戦が初めてテレビに出たのは、地元ケーブルテレビのテレビ松本でした。

2004年の北信越リーグ時代から山雅を取り扱っていただき、2009年までは各試合のダイジェスト番組を放送してきました。
2010年・2011年のJFL時代はホーム全試合(17試合)生中継、アウェイも全試合(17試合)録画中継の全34試合を放送するなど大いに山雅に貢献してきました。
現在2022年も毎年恒例の新体制発表会の中継制作を行い、大人気レギュラー番組「松本山雅情報 教えてガチャさん!」の番組も放送されています。

次に地上波で初めて山雅の試合中継を行ったのはNHK長野放送局(NHK長野)で、2006年9月3日の長野県サッカー選手権大会・決勝の試合でした。
現在でもJリーグタイムでもお馴染み宮澤ミシェルさんの解説という豪華な顔ぶれで、地域リーグのアマチュアクラブ同士の対戦とは思えない中継体制でした。

その後も2009年の全国サッカー地域リーグ決勝大会(現 全国地域サッカーチャンピオンズリーグ)のYSCC戦、日立栃木ウーヴァ戦もNHK長野にて中継されました。
(この地域決勝もテレビ松本はしっかり3試合生中継しています)
おそらく地域決勝が地上波で中継されることは今後絶対起きないと思ってます。

初めてリーグ戦を中継したのもNHK長野で、2010年3月21日のソニー仙台FC戦でした。この年は11月21日のガイナーレ鳥取戦もNHK長野にて中継されています。

その後、長野県内の民放で初めて山雅のリーグ戦を中継したのはSBC信越放送(SBCテレビ)で、その試合が2011年4月30日のホーム長野戦(信州ダービー)でした。

あとで知ったのですが、
・長野県高校サッカー選手権大会決勝を中継していたTSBテレビ信州(TSB)以外で、長野県内の民放が初めてサッカー中継の制作を行った
・SBCとしても史上初のサッカー中継の制作だった
(なのでサッカー中継のノウハウが無かったためUTYテレビ山梨が技術協力していた)
と高木直人さんが言っていたのを覚えています。

ある意味、サッカー不毛の地で地元のサッカーの試合を観るという文化が始まる瞬間でもあったのでしょうかね。

もう1試合の信州ダービー、2011年7月3日のアウェイ長野戦はNBS長野放送(NBS)が中継し、解説はなんと川淵三郎さんでした。
川淵さんがまさかこの4年後にバスケの問題を解決するなど誰が思っていたでしょうね。

この年は8月28日の長野県サッカー選手権大会・決勝にも出場し、この試合はNHK長野が中継しました。

結果、2011年の信州ダービーは2勝1分0敗(1試合はPK勝ち)でしたが、3試合とも長野が先制し、リーグ戦2試合は共にエンドを変えていたんだと改めて録画を見返して思いました。

Jリーグに昇格して

2012年にJ2リーグ昇格後、放映権はテレビ松本からスカパー!へ移行します。
ここでSBCがスカパー!向けへの松本山雅FCホームゲーム中継担当になったのです。

山雅が昇格を決めた2011年12月はスカパー!契約数で長野県が全国で1番だったという話は有名ですね。
スカパー!へ移行するために、テレビ松本でJリーグの試合が放送された年でもありました。
この年から長野県内の民放各局も山雅の中継をするようになります。
abn長野朝日放送の松木安太郎不敗神話はなんと10年経った今でも継続中だとか。

FMまつもとでラジオ中継開始

2014年からは松本市のコミュニティFM、FMまつもとが松本山雅FCの試合中継を行うようになり、ラジオでもインターネット放送でも聴けるようになりました。

エフエムまつもとから

初のJ1昇格でテレビ中継

2014年11月1日のアウェイ福岡戦、J1昇格の懸かった試合でNHK BS1で中継予定が組まれていました。
ただ同時期に行われていた日本シリーズ第6戦の中継もありサブチャンネル(102ch)の予定だったのが第5戦で終わったため、メインチャンネル(101ch)での中継に変わったのです。
→101chと102chでは画質が全然違うんですよ!
自分は福岡の現地にいたため本当かどうか定かではないですが、この日の夜は松本の街から人が消えたという都市伝説があったようです。
それだけテレビ中継があることの意味は大きいのだと感じたのです。

なお、この年にJ3に移行したAC長野パルセイロのスカパー!中継担当となったのはTSBテレビ信州でした。

J1の舞台

初のJ1、アウェイ名古屋戦がNHK長野で中継の後、ホーム開幕戦となった広島戦もNHK BS1の生中継が組まれました。それに合わせて、初めて3月に19時キックオフの試合となったのです。そのため2021年に雪のアルウィンで試合する前までは山雅史上一番気温の低いなかでの試合となっていました。
この試合で初めてアルウィンにJリーグのLED広告看板が設置されたことを覚えています。J1はバックスタンドにJリーグパートナーの看板が設置されますが、J1は各節1試合をNHK BS1で中継しているため、そこに合わせてLED広告を持ってくるのです。

ちなみに山雅のLED広告が導入されたのは2018年です。

明治安田生命J1リーグ戦のホームゲーム中継担当は変わらずSBCで、初参戦となったJリーグヤマザキナビスコカップのホームゲーム中継担当はNBSとなりました。
ナビスコ杯はフジテレビが放映権を持っているので、やはりそのネット局がホームゲームの中継をやるのねと思ったのです。
それに当時はSBCだけでなく J SPORTS やら TBSテレビ やらがスカパー!向けへのホームゲーム中継を担当して、ああやっぱり J1という舞台は違うんだなと感じたのです。

初のアルウィン全国地上波

山雅の中継では無いのですが2016年6月29日、キリンチャレンジカップで初めてアルウィンがTBS系列の地上波全国ネットで試合中継されました。
しかし、アルウィンのピッチの芝の酷さにネットが荒れることに(笑)
この試合はTBSテレビ制作・技術協力SBC信越放送だったのを確認しました。5年前は技術協力ないとサッカー中継ができなかった放送局が、今度はキー局のサッカー中継の技術協力できるところにまでになったという個人的に感慨深いものがありましたね。たぶん日本で私だけだと思います。

スカパー!からDAZNへ

2017年はJリーグのオフィシャルブロードキャスティングパートナーがスカパー!からDAZNに移行しました。
当初は配信トラブルもあり「スカパー!に戻せー」という声が多数聞こえていたのが、現在では圧倒的な支持を得られるようになり、逆にスカパー!の配信トラブルが目立つようになると、「DAZNに譲れー」という声が出るようになったのはいろんな意味ですごいことだと思いました。
ただ、スカパー!オンデマンド(現 SPOOX)の配信トラブルは正直脆弱すぎるのではと思いましたね。もうFOD(フジテレビオンデマンド)にまでヘルプを求めていたくらいですから、信頼度は相当落ちてしまったのではないでしょうか。
今年2022年はJリーグYBCルヴァンカップのフジテレビの放映権更新の年(2002年から5年周期)であるので、果たしてどうなるのかですね。

DAZNに変わって多額の放映権料が話題になりがちですが、地味に大きいのは制作著作がJリーグに変わったことなんですよね。
スカパー!時代は、まずスカパー!に映像を使用できる権利があったのでJリーグは試合後に映像を自由に使えなかったのです。(なので試合のハイライト映像が次の日の昼に出てきていた)
それがDAZNに変わったことで、Jリーグで自由に映像を使えるようになった。これがSNS時代にマッチできたのは本当に良かったことだと思ってます。
さらに言えば、テレビ局は中継技術が無くてもJリーグの中継をできるようになったのも大きいです。
スカパー!時代は自前でサッカー中継の準備をする必要があったのに対し、(なのでスカパー!中継向けカメラと地上波向けカメラが複数並ぶ事態が起きていた)DAZNに変わったことでその映像を使ってのテレビ中継が可能になったため、放送局は単純に言えば実況と解説を手配すればテレビ中継ができるようになったわけです。
もっと言えばスタジアムに行かなくても中継が可能になったのです。(詳しくは後述)

初のJ2優勝でテレビ中継

2018年11月17日のホーム徳島戦。
もともとNHK BS1ではJ2最終節の中継予定が入っており、どこの対戦カードを中継するかは前節のアウェイ栃木戦が終わるまで決まっていませんでした。
結果的に第41節終了時点で首位だったこと、ホームゲームで優勝の可能性があることなどから、NHK BS1が選んだ中継カードは松本×徳島戦だったのです。
この時点で何か持ってるなと思いましたね。笑
今でもこのNHK BS1のテレビ中継の録画を見るとものすごい鳥肌が立ちます。
どこを中継するか?となったときに中継を選んでもらえるチームになっていることって大事なんだと思いました。

2度目のJ1

DAZNに変わってからのJ1の中継スタイルはすごくて、カメラの台数も中継スタッツも全然違いました。
個人的に印象的だったのは2019年4月6日のホーム神戸戦で、ラジオ中継に加わったのがニッポン放送だったんですよね。
もともとニッポン放送ショウアップナイター(プロ野球中継)の時間帯だったものの、当日はプロ野球のナイターの試合が組まれておらず、ではJリーグ中継をやるとなってどこの試合を中継するかとなったときにサンプロアルウィンでの松本×神戸戦に白羽の矢が立ったのです。
松本と神戸の試合を首都圏でラジオ中継するという異例の展開。
そして松本が勝ってしまうというさらに異例の展開。

やはりどこを中継する?となったときに中継を選んでもらえるチームになっていることが大事なんだと思いました。
そして2019年も明治安田生命J1リーグ戦のホームゲーム中継担当はSBCで、JリーグYBCルヴァンカップのホームゲーム中継担当はNBSでした。

幻となったフジテレビ中継

J2に降格した2020年はルヴァンカップの出場が決まっており、その第2節の浦和戦ではこんなことが起きました。

そう、知る人ぞ知る安曇野市出身のフジテレビ黒瀬翔生アナウンサーがベンチリポートする予定だったんですよね。。

試合自体が中止になってしまいこの中継スタッツも幻となってしまいました。それゆえにルヴァンカップの次の参加は何年後になるでしょうか。。

そして2020年に変化があったのは、AC長野パルセイロのDAZNホームゲーム中継の実況がSBCのアナウンサーになったことでTSBからSBCに変わったのではないかということです。(結局ここまで未確認)

コロナ禍によるリモート中継の確立

2020年、2021年とコロナ禍による中継体制の見直しと、前にも書いたDAZNになって制作著作がJリーグに変わったことで、実況・解説がサンプロアルウィンに来ずに各テレビ局のスタジオで実況・解説をするリモート中継ができるようになったのです。
このコロナ禍でサッカー中継も当然コロナ対策が講じられており、山雅のホームゲーム中継なのに実況・解説者が長野のスタジオからリモート中継するということになりました。
何か残念とはいえ、逆にこれはこれで良かったことでもあります。

それと小さなことですが、2020年からDAZNのJリーグ中継の画面右下にJリーグロゴのウォーターマークが入るようになりましたね。

長野県内のプロスポーツ中継

今はネット配信も充実してきましたが、それでもテレビ中継、特に地上波の力は大きいものだと思っています。
時代の流れで配信にシフトしていても、そこに関わるのが制作局であります。
長野県内のプロスポーツ中継に関わる局をまとめてみました。

松本山雅FC SBC信越放送→DAZN
AC長野パルセイロ TSBテレビ信州(SBC信越放送?)→DAZN
信州ブレイブウォリアーズ abn長野朝日放送→バスケットLIVE
ボアルース長野 TSBテレビ信州→AbemaTV
VC長野トライデンツ 長野県ケーブルテレビ協議会→V.TV

何か、すごく棲み分けがしっかりできていますね。

2022信州ダービーの中継局は

これだけダラダラ書いていよいよ本題です。

信州ダービーはどこの局が中継するのか。

北信越リーグ時代から支えてきたテレビ松本
要所要所で山雅を伝えてきたNHK長野放送局
山雅のホームゲーム中継を担ってきたSBC信越放送

3つ予想しました。

本命

ホーム
SBCテレビ/SBCラジオ/FMまつもと
アウェイ
TSBテレビ信州/SBCラジオ

いやあ、これまでの歴史振り返ればこれが妥当だと思います。
SBCはラテ兼営(テレビラジオ兼営)局の強みを活かしてテレビかラジオは絶対やるかなと思います。

対抗

ホーム
SBCテレビ/SBCラジオ/FMまつもと
アウェイ
SBCテレビ/SBCラジオ

まさかのSBC独占放送。
しかし本当にあり得なくはないんですよね…

大穴

ホーム
NHK長野/SBCラジオ/FMまつもと
アウェイ
SBCテレビ/SBCラジオ

まさかのNHK長野が信州ダービーに名乗りを上げてきました。
となるとSBCがアウェイに回る、というかホームよりアウェイのほうが視聴率を取れるのではないでしょうか。

というより、山雅が長野県サッカー選手権大会に出場となった場合、決勝の中継をするとなったらNHK長野しかできないことを考えれば、ちょっとあり得ない候補かなと。
でも、これまでのNHK長野放送局の貢献を考えればアリだと思うんですけどね。

さて、結末はいかに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?