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ベンチの足 / 佐藤雅彦

私が尊敬するメディアクリエイターの1人、佐藤雅彦さんの本。
実は2周目。

暮らしの手帖という雑誌(朝ドラ『とと姉ちゃん』の題材となったやつですね)で連載されている「考えの整頓」というコーナーのお話を再編して収録されている本です。

第2集でして、第1集は随分前にnoteに書きました。(てか初投稿のやつだ!)

考えの整頓と同じく、素敵な口調で日々の出来事を綴っており、良い意味で変わらない視点を持ち続けていらっしゃるなあと。

あとがき曰く、ベンチの足の方は掲載順を変えたそうで、最後が「名優のラジオ」で終わっているのが意味深でした。

小説でもエッセイでもnoteでもなんでも、"読後感"って作者の方が少なからず意識することだと思うのですが、敢えて並べ替えた上でこれを最後に持ってきたということは、何か特別思い入れがあるんだろうなあ、、と想像していました。気になる方は是非読んでみてください!


『妙』をキーワードに、日常のちょっとした出来事を佐藤雅彦さんならではの切り口で取り上げています。

この『妙』は普段過ごしていたら見逃してしまいそうな小さな事象であることがほとんど。その妙を見逃さずに新しい発見や、忘れていた気づきとして外在化させることで喜びや創作に繋げていらっしゃる。本当に素敵だ。。


私が佐藤雅彦さんの著書を読んでいつも思うことがあります。
それは「記憶力がめっちゃいい」。笑

佐藤さんお話でよくある語り方の一つとして、下記のような流れがあります(私個人の解釈です)

① 最近起きた1つの事象をピックアップ
② ①はさておき、過去の体験や別の事例を語る
③ ①②に共通する法則について考察
④ ③を踏まえ、①を感想と共に締める

①に関しては、一見些細な出来事である場合がほとんど。言ってみれば日記のようなものに近い。

私がいつも驚くのは②と③です。
①に紐づけることができる過去の出来事や事例を、どうしてそんなに思いつくのでしょう、、!!

もちろん業界でもトップの知識の幅や深さは持っていらっしゃると思いますし、生きている年数も私とも全然違うのですが、それでも過去の出来事をたくさん覚えていらっしゃって、引き出しがあまりにも多い。
(27年生きてきた私は昨日の晩御飯すら忘れてしまうのに、、笑)


きっと日頃から記録をつけたり、頭の中で情報の取捨選択・整理ができているのかなと勝手に想像しています。
だから一つの事象と他の事象を、点と点を線で結ぶように繋げることができる。


私はもっぱらスマホに洗脳されかけている現代っ子なので、脳の情報過多なんだろうな。。少しでもいいからデジタルデトックスをするようにしよう。
(noteを書いてる時点でデジタルなんですがね、、!笑)


読書記録から若干話が逸れましたが、佐藤さんの考え方はいつもユーモア溢れて謙虚で知的で理想の大人です。これからも楽しみにしています。

(2023年10月9日 2周目読了)


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