ドラゴンカーセックス

ドラゴンカーセックスを熱く語る漫画を読んで
「……ええやん!」ってなったので書いてみました。


荒廃した渓谷地帯で竜と人間たちは遭遇し、交戦していた。

周りが砂漠化し荒れ果てたこの渓谷には通常滅多に人は訪れることがない。
竜はその静寂さを気に入り、その一角を棲み家とし平穏に暮らしていた。

その平穏を崩されたのがさきほどである。
いきなりやってきた人間が重火器を使って竜に攻撃をしかけてきたのだ。
辺りには人間が使用した重火器の火薬の匂いや硝煙が舞い、土煙で視界が曇る。
竜にとってその攻撃自体は痛くも痒くもなかったが、棲み家に押しかけられ、挙げ句いきなり攻撃をしかけられたことが非常に不愉快だった。
つまり人間どもは竜の怒りに触れたのである。
竜は立ち上がると渓谷中に響き渡るような大声を上げながら口から炎を噴き出し、人間の前に立ちはだかる。
それを見た人間は圧倒的な大きさと竜の迫力に呆然とし、一瞬立ち尽くした。

「……総員、退避!自動車に戻れ!!」
リーダー格と思われる人間が弾かれたように大声で叫ぶ。
しかしその刹那、竜は翼を羽ばたかせて砂嵐を発生させた。そしてそれはそこにいた人間を巻き込みながら遠く彼方へ旅立っていく。
人間達の悲鳴が砂嵐とともに遠くへ行ったのを確認してから、竜は棲み家としていた渓谷を見渡す。
荒れ果てた惨状を改めて目の当たりにすると、ふつふつと怒りがこみ上げた。

――なぜ人間どもは平穏に暮らさせてくれないのだろうか。

この渓谷は人里離れた場所にあり、人間の足では集落から数十時間はかかる。
さらに付近は砂漠化が進んで荒廃しており、人間が寄り付かなそうな場所だった。実際に住み着き始めても長年人間がこの棲み家を訪れることはなかったし、そこが非常に気に入っていた。
それが今回の襲撃でこの有様だ。

別の棲み家を探さないといけないか、と考える竜にある疑問が湧く。
――そういえば、どうやってあの人間どもはここを訪れることができたのだろうか。

あの人間たちはそれぞれ重い武器を手にしていたが、それを担いで数十時間を歩き続けるのは無理だろう。となると馬や馬車に乗せてくるのが一般的だが、馬は竜の出す威圧感に萎縮してしまうので、馬を使ってここまで来るのは不可能なはずだ。
それにも関わらず、いきなり武器を持って現れた人の不可解さに首をかしげながらふと下を向く。すると4つの車輪がついた箱のような物が目に入った。

――なるほど、先程の人間どもはこれに乗ってやってきたのか。

竜はまじまじとその車輪がついた箱を観察する。
大きさは竜の体躯の三分の一といったところか。
以前見た馬車は木製の車輪だったが、この車輪は弾力性のある素材でできている。
そして車輪の上にはおそらく金属でできた箱が乗っかっており、それは真珠のように淡く輝くように塗装されていた。
更にその内部には様々な突起やレバー、人間が座れるような革製の椅子などが取り付けられており、少し複雑な構造をしている。興味を持って開いている部分から内部に指を入れて触ってみたが、音が鳴ったり車輪が左右に動くなどしてなかなかおもしろい。

――これはさっき人間が言っていた「自動車」というやつか。なるほど。これならば牽引する動物がいないのだから引き返すことはない。面白いものを作ったな。

色々と興味深く触って観察していたが、一番目を引いたのは真珠のように淡く輝く乳白色の塗装だった。
――綺麗な色をしているな……。 竜はその乳白色の塗装をまじまじと見る。
実はこの地方の竜の雌は妙齢になると腹の色が真珠のように淡く光り輝くのだ。

その雌の腹のように美しく淡く輝く塗装をゆっくりと観察しているうちに、竜は自分の下腹部が熱を帯びてきていることに気がついた。

――落ち着け、これは我々とは似ても似つかないものだ。

邪念を振り払おうとするもさきほどの怒りで神経が多少興奮していたのもあるのだろう、竜の昂りはますます固くなり熱を持っていた。 身体全体が熱くなり頭がくらくらする。 ――少しだけ。とにかくこれを鎮めなければ。 竜は自身の陰茎を身体とともに自動車の上の部分に押し付け、ゆっくりと前後に動き始めた。
砂漠化した渓谷で長時間日光にさらされていた車の表面はかなりの熱を持っていたが、竜にとっては適温で、言いようもない快感をもたらした。

車の天井部分に自身の先から出た先走り液がまとわりつき、真珠色の塗装がてらてらと光る。それが竜の目には艶めかしく写り、ぬるぬるとした感覚とともに興奮を掻き立てた。

――もっと、もっと刺激がほしい。

さらなる刺激を求めて車を組み敷き、体重をかけると竜の重みと陰茎の硬さに耐えられなくなった車がギィギィと音をあげて変形を始める。
その悲鳴のようにも聞こえる響きが竜の興奮を更に掻き立て、押し付けて擦る行為は激しさを増していった。

そしてついに背面の重みに耐えられなくなった車は、突然ビシビシッと音を立てた。
背面の強化ガラスが砕け散ったのだ。
そして砕け散った背面ガラスの跡には、大きな空洞が現れた。
背面に穴ができたことに気がついた竜は、竜は興奮と熱に浮かされた頭でぼんやりと考えた。

――この穴に入れたらもっと気持ちよくなれるかもしれない。

そして竜は自身の屹立を車の中に力の限り突き入れた。
突き入れた衝撃でクラクションがまるで悲鳴かのようにけたたましく鳴り、エアバッグが作動した。作動の際の衝撃と柔らかさが竜の先端を刺激する。

さらにエアバッグが動作した車内は少し圧迫感が増し、レザーシートなどの車内の凹凸が陰茎への刺激となって竜の興奮を更に掻き立てる。

――足りない、もっと、もっとだ。

昂ぶるままに車の後部を掴み、己の屹立をめちゃくちゃに出し入れする。
その激しさに耐えられずに変形していく車の悲鳴のような軋みと、突き入れるたびに激しく鳴るクラクションが嬌声にも聞こえ、興奮した竜は無我夢中で腰を振った。
そして竜の興奮が最高潮に達したとき、竜は懇親の力を振り絞って車に自身を押し込み、欲望の全てを車の中に吐き出した。

欲望を吐き出す快感にしばらく浸ったあと、竜はこの場を飛び去った。
自身の新たな棲み家を探すためである。

飛び立った場所には内部が白濁した粘液に塗れた、ひしゃげて変わり果てた鉄の塊がそこに残されていた。

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