【TRPG】ここにあるのは、大惨事【フィアスコ】

未プレイのシステムでもお気に入りのTRPGはあるのだが、やらずして語れるかという気持ちが割と強い。なのでここで語るTRPG話は、自分が体験したシステムの紹介となる。

大惨事を経験したことはあるだろうか。
大惨事とまで行かなくても、個人的に「惨事だったな〜」と思い返す出来事はあるのではないか。大事なプレゼンの日に寝坊をかましたり、みんな見ている中で盛大にこけたり……思い返すとまあまあ恥ずかしく、悲しい気持ちにもなる。

しかし物語の中で、大惨事は輝く。大事で、過酷で、恥ずかしく、悲惨であるほど。
そのキャラクターが随分と愛おしくなってしまう。

今回、「君と大惨事を作るTRPG」こと「フィアスコ」をプレイすることができた。

「フィアスコ」はハロウ・ヒル制作のTRPGである。シナリオもなく、GMもいない。関係性を設定する「プレイセット」を使い、参加者のアドリブで展開していくシステムだ。
だいたい3〜5人ほどの参加者を推奨する。(自分含む)
ハロウ・ヒルの出すゲームシステムが好きだ。かなりわかりやすく、それでいてオシャレだ。

フィアスコをプレイする際、人間関係も当日に決定したために立ち絵などは特に用意しなかった。

立ち絵というのは、PCの駒の扱いの場合もあれば、スマホゲームのように画面に表示される「キャラクター」としての扱いの時もある。わたしは後者で遊ぶことが多いが、今回は場所を決めるために駒を置いておくくらいだった。

参加者はわたしを含め3人。そんなに惨事は産まないかもしれないな、きっとまとまりのいい話になるのだろうと、正直思っていた。

ところがどっこい、そんなわけはなかった。
PLは全員、創作畑の人間である。ありとあらゆる惨事を思いつかないわけはないのである。

全員死んだ。わたしのPCは英雄になりたかったが、自分そっくりな何者かに地位を奪われ、親友を信じられず妄執し異形化して死に、害獣の死骸として処理されて人生を終えた。

これが大惨事。「どうしてこんなことに……」そう感想が生まれれば大成功である。もちろん、前提には「楽しかった」があることだ。

フィアスコはアドリブで進む。
他プレイヤーの作った設定に便乗したり、また勝手に他のプレイヤーの設定を作ったりする。それがまた、予想もしていなかった大惨事を産み出すのだ。
自分は「大惨事」にはなりたくはないが、「大惨事」を客観視する、つまりは創作の中であれば、話は別になる。大惨事は、創作において平凡な万人を輝かせる。

不思議なことに、フィアスコをやると最初ノリがアメリカンになった。なぜならフィアスコが元になったのは海外の映画とかだから。

そのためかフィアスコの進行はプレイヤーによるアドリブRPだが、なかなかロジカルで物語性が高い。システム自体はシンプルで、それはジャングルジムのようだ。そこで遊ぶわたしたち次第でどうとでもなる。必要なのは想像力と、創造を楽しむ力だ。

みんなで作る「大惨事」は、さぞ楽しいものだと思う。

短時間で遊べるシステムなので、ぜひ、遊んでみてほしい。


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