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しおの雑文庫

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つれづれよりもラフに、楽に。 雑な話をしていく。 iCaとかで適当にテーマ決めて書きます。
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2023年12月の記事一覧

ISSS 小説「In seaside,so said.  」—case:谷生瑞希世—

ISSS 小説「In seaside,so said. 」—case:谷生瑞希世—

 波の上に、月の光が散っている。少し風のある夜だった。

 星がよく見える。上を向いて歩こう……そんな歌い出しは、日本で暮らしていれば自ずと浮かぶフレーズだ。
 海のにおいというものは、想像は爽やかなものだが、実際に近づいてみると生き物の匂いがする。というと――やや生臭いということだ。

 谷生瑞希世《たにうみきせ》は深呼吸をした。生臭いとわかっているが、どうも癖になる。まだ洗剤の香りが残る生乾き

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