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塩野秋
2019年11月15日 22:46
星の男 それは美しい男だった。この世すべての星屑を集めて光っているような人間は、街の広告になっている。 都会の人混みの中、笑みを浮かべてそれを眺める男がいた。「どうだ、自分の顔が見下ろしている気分は」 隣の男に語りかける。猫背になったその青年は、広告の美しい男と同じ顔をしていた。「……でも、つくりものだ」「ばか。いまはこれがおまえの顔だよ」 美しい男の腿を蹴る。彼はよろめいて、う