わたしと女の子

わたしのsexは女性である。体つきが女性というのは、理解して受け入れて生きているつもり。しかし、心が女性かと言われると違う気もする。

幼稚園の頃の夢は、ガオブルーだった。洋服は戦隊ヒーローのTシャツがお気に入り。好きな色は青で、スカートは絶対履きたくない。髪型はいつもベリーショートで、褒め言葉は「かっこいい」じゃないと嫌!そんな幼少期だった。ここまで聞くと、男の子になりたい女の子のようだが、そうではなかった。自分が女であることは認識し、理解していた。

今思えば、わたしは「女の子らしい女の子」になりたくなかったのだと思う。「ピンク色でフリフリで髪の毛は長くて将来の夢はケーキ屋さん」みたいな女の子になりたくなかった。頑固で天邪鬼なわたしは、幼い頃から人と違う道に進もうとしていたらしい。この当時は天邪鬼だけが主な理由だったと思う。両親も特に何も言ってこなかったので、私は日々ヒーローとして世界を救うことを想像しながら、決めポーズの練習をしていた。

そこから一気に時は進み、高校生を振り返ってみたい。高校時代も相変わらず、ショートカットのままで生きていた。ただ、この辺りから「女の子らしい女の子」への嫌悪感は消えていたように感じる。メイクをしたり、髪を巻いたり、ファッション誌を読んだりすることを純粋に楽しんでいた。スカートも履いた。私が「素敵だ」と思うものはどんどん取り入れていった。
ただ、そのとき某化粧品メーカーのキャッチコピーに違和感を感じたことを覚えている。
「女の子って最高に楽しい!」というものだ。「女の子」で括られることが違和感そのものだった。メイクをして楽しんでいるのは、なにも女の子だけではない。何かを楽しんだり好きになるのに、性別って必要なのだろうか。

世間の方々に聞きたいのだけれど、みんな毎日自分の性別に意識を向けているのだろうか。私は正直、「体つきが女だから、女なのだろうなぁ」程度の認識しかない。心も体も女と断言できるか?と聞かれると、できないと思う。それだけ私の性自認は曖昧でわからないものだ。ただ、曖昧なままでも特に困っていることはない。

性別って、ゲームでいうと初期装備にあたるものだと思う。レベルが上がると装備も変える。初期装備をずっとつける人もいれば、すぐ外す人もいるだろう。それは人それぞれ考え方や価値観が異なるので、何を装備しててもいいと思う。ただ、「え?お前初期装備ないの?おかしくない?普通つけておくでしょ?」と言うのはちょっと違う。浅い人生経験内の話なのでなんとも言えないが、結構こういうことを言ってくる人が多いように感じる。性別に戻して考えると、ジェンダープロトタイプ的考えになるのかな。

女らしい自分、男らしい自分が好きという人もいるであろう。その考え方はとても素敵だと思う。ただ、私のように自分の性別に重きを置かない人も中にいるんだと思う。スカートを履いてバチバチにメイクしたわたしも、メンズ物で私服を固めたわたしも、全て「わたし」だ。

わたしは女の子だ。でも、女の子はわたしではない。わたしにとって性別は、必要十分条件ではないのだ。

ずいぶん前に書いた文章を引っ張り出してみた。思ったことをそのまま言葉にするのは、なかなか難しいものですね。最近暑いですね。熱中症に気をつけて、お互いぼちぼち頑張っていきましょう。

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