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花の匂いをさがして

この時期になるとおもいだす

3年前の3月初旬
まだ前職に勤めてた頃、
仕事柄3月4月の忙しさが
ほんとうにすごかった

毎朝7:30には会社に居て、
夜も22時まで残るのはふつう
精神的にも、体力的にもキツかった

その日は雨の休日で、
お世話になった先輩があと数週間で
辞めてしまうから
ブルーな気持ちで近所を歩いてた

すると、どこからともなく
とってもいい香りが漂ってきた

ぱっと右を向くと
小さな薄ピンク色をした花が
たくさんついた木が植ってた

これ…かな?
とおもいつつその花に近づく

正解、
その花の香りだった
名前はわからなかった

後日、その花の名前を偶然知った


沈丁花だった

沈丁花をみつけた日から、
その木の隣を歩いて
香りにうっとりする日々がはじまった

毎年春が近づくとその道をあるいて
香りを吸い込んだ

つい先週、久しぶりにその道を歩いてみたら
真っ白い壁が立ちはだかっていて
木がなくなっていた
(新しい建物が建つらしい、工事中だった)

悲しい
けど、
ほかにも沈丁花のある場所を
知ってる、
だいじょうぶ


毎年春がくるとおもいだす

仕事で疲弊して
色々凹んでた時期に偶然知った花の香りは

仕事を変えたいまでも
すこしだけ当時の気持ちを蘇らせる

結局、春の繁忙期だけじゃなくて
いろいろしんどくて、転職して
今の会社に入って今年で4年目になる

ストレスは目に見えて減った

がんばることはだいじなのかもしれない
けど無理はしなくていいとおもってる
逃げたいなら逃げてもいい
逃げることは負けることじゃない
恥ずかしくもない
未来なんて無限にひろがってる
すべてはじぶん次第

わたしはあしたも
沈丁花の香りを吸い込んで
会社に向かう