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Jくんのこと

この前、なんとなしにJくんのファンになってどれくらいだっけ?と数えてみたら、10年以上の月日が経過していることに気がついてびっくりしました。

わたしの青春にはいつも彼がいます。今日はそんなJくんという推しについて少しお話しさせてください。

推しはバンドマンです。わたしは20代後半なのですが、推しが大々的に活躍していた時期はわたしが幼稚園、小学生時代の頃のこと。けれど、ラッキーなことにわたしは多感な女子高生時代に彼のファンになることができました。

わたしは彼の音楽にかける熱い想いやブレない姿勢、人に対する優しさに惹かれています。何より、あんなに無条件で笑顔になれるライブを作りあげられるのは彼しかいないと感じます。何をせずともステージに立つ彼を見ているだけで熱いなにかが込み上げてくる。わたしは、彼が歓声に包まれながら照れ臭そうに笑う顔が大好きなのです。

昔から精神薄弱だったわたしは、推しの存在と音楽に幾度となく助けられました。大事な節目の際には彼の音楽で心に火をつけ、立ち直れないような出来事があった時は彼のインタビューを読みふけり、その都度推しの手を借りて、なんとか生き延びることができたのです。推しがライブで必ず叫ぶ一言に、何度救われたでしょうか。

20代も中盤に差し掛かり、わたしはFC限定イベントに行くことを決めました。純粋に感謝の想いを伝えたかったことが大きかったですが、とにかく推しと触れ合ってみたかったのです。だってこんなにも好きなのだから。

何年も恋焦がれた推しが目の前にいる。写真撮影の前に「よろしくお願いします」と伝えるつもりが、先走って「ありがとうございます!」と叫んでしまうほど、わたしは歓喜と緊張に震えていました。

推しはそんなテンパってるわたしを見て、

「まだ俺なんもしてないよ!」

と優しく笑ってくれました。

ステージで、テレビで、雑誌で見たままの穏やかな推しでした。何もしてないわけがない。あなたはわたしに、毎日生きる希望を与えてくれているんだよ!こんなに大好きなんだよ!

あふれる想いを抑えながら、わたしは初めて推しとツーショットを撮りました。その時のツーショはわたしの写りが最悪だけど、宝物です。推しの写りは最高なので。

その後も足繁くライブに通い、イベントにも何度か参加させてもらって、2人で撮った写真も増えました。が、いまはライブにも昔ほど行かなくなり、いわゆる在宅ファンなるものをゆっくり自分のペースでやっています。

彼はきっと一生わたしの「推し」なんだという確信がゆらゆらとわたしの周りを揺蕩っているからです。嫌いになるビジョンがあるわけもなく、10年という長い月日を経て彼を好きでいるのは当たり前…という存在になりました。言葉を選ばずにいうと「必死にならなくなった」といったところでしょうか。

生き続ける限り、一生青春。そんなふうに語る人がいますが、もしそれが本当なのだとしたら、きっとこれからもわたしの横にはJくんが居続けるのだと思います。彼は揺るぎないわたしの青春の灯火なので。



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