シェフィールド日誌(3) 8/6 2日目 前編

 シェフィールド大学のプログラム自体は8月7日スタートなので、この日はまる1日自由。私はシェフィールドを散策することにしたが、電車で1時間ほどの距離にあるマンチェスターに出かけたフラットメイトもいた。

Sheffield Cathedral

 7時半起床。フラットメイトと朝ご飯(トーストとハムと牛乳)を食べて、寮から徒歩5分ほどにあるSheffield Cathedral(街で最大の教会)に8時ごろ到着した。受付で尋ねると「観光客も楽しめるような大きな礼拝は10時半からだよ」と言われる。ちょっと時間ありすぎでは?と思ったが、なんだかんだ1時間半近く教会を見て回った。私は中高がキリスト教系だったので、ステンドグラスや彫刻に描かれている聖書の物語だとか、人物だとかがたま〜に分かる。中高時代のお祈りや宗教の授業は退屈に感じていたけど、こうして外国に来て役に立つのならやって良かったかも。

外から見たSheffield Cathedral
教会内のステンドグラス

カフェ(cafe nero)

 礼拝が始まるまで1時間ほどあったので、教会の向かいにあるカフェで休憩。店内は3,4人用の丸テーブルとソファがたくさんあって、お年寄り中心に地元の人と思しき人たちがコーヒー片手におしゃべりを楽しんでいた。これがイギリスの日曜日なんだな〜、と少し分かった気がした。私たちも入り口近くのテーブルに座る。
 カフェラテを頼んだらハート型のラテアートを作ってくれた。後から分かったことだが、イギリスのカフェは結構どこでもこれをやってくれるのが素敵。
 ジンジャーブレッドマンというお菓子も注文した。クッキーではあるけどサクサクではなくしっとりした食感で、甘さと生姜(ジンジャー)が強めに効いている。すごく美味しい。

ジンジャーブレッドマンとラテアート

眼科訪問記

 カフェで色々話した中で面白かった話をひとつ。ロストバゲージ組4人のうち、昨日昼ごはんを食べに街へ行ったのは3人だった。もう1人はコンタクトレンズをバゲージに入れていたため、喫緊のコンタクトを手に入れるべく眼科へ行っていた。そこで診察室に入ると Why do you come here? と聞かれたので、雑談だと思って「短期留学で来ました」と答えたところ、「違う違う、何の症状で眼科に来たのか聞いてるんだ」と笑われたそう。笑い話ではあるけど、自分もその質問をされて趣旨通り答えられる自信はないので、考えさせられてしまう話ではある。

エスプレッソ(写真)はものすごく小さいという教訓

イギリス国教会の礼拝

 10時半から先ほどの教会で礼拝に参加した。
 カトリックではお祈りのことをミサと呼ぶけれど、プロテスタントでは礼拝というらしい。お祈りのフレーズや儀式の進行を自分の知っているものと比べるのが面白かった。この日は新たに洗礼を受ける赤ちゃんがいて、洗礼の現場を直に見られた。今週で街を離れるという少年に対して、牧師さんからはなむけの言葉と贈り物が渡される一幕もあった。教会は地域の多くの人が毎週集まるわけで、地域のコミュニティづくりに一役買っているのかもしれないなと思った。
 礼拝の後、教会の中の入り口近くの机で温かい飲み物(コーヒー、紅茶)と数種類の小さなタルトが振る舞われ、礼拝に集まった人たちが立ち話で談笑するという時間があった。私たちもコーヒーを啜っていると、先ほど礼拝を取り仕切っていた牧師さんが話しかけてくれた。日本からの留学生だと言うと、市内のPeace Gardenという公園に広島で被爆した桜の木が移植されていることを教えてくれた。別れ際には「また会えるのを楽しみにしてるよ」的なことを言ってくれた。新入りの存在に気づいて話しかけてくれるのはすごいし、言ってしまえばよそ者で信心深いわけでもない私たちにウェルカムな感じで接してくれるのはありがたい。まだ来て2日だが、「この地域って東京より人が温かいのかもね」という話になった。「教会でなくても、困ってる人を見た時にさらっと”May I help you?”が言える人が多いよね」と言っている人もいた。いい街に来たかもしれない。

【おまけ】教会のタルト
 礼拝の後に振る舞われたタルトがすごく美味しかった。「イギリスの食べ物で一番美味しいんじゃない?」と言う人もいたほど。さすがにイギリス料理に喧嘩売りすぎじゃない?
 ひと口サイズで何個でも無料で食べてよくて、なんなら遠慮していると「要らない?」と勧めてくる。
 味は3種類で①チョコソースの上にクランベリー ②チョコソースの上にクリームチーズ ③りんご?のジャムの上にブルーベリー というラインナップ。せっかくなので全種類試したが、イチ推しは②。まろやかな味なのでブラックコーヒーと相性◎だった。

午後編に続きます。

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