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M-1グランプリ2022 ファイナリスト見どころ

ついに明日に迫ったM-1グランプリ2022。歴史にその名を刻む18代目チャンピオンは誰なのか。

概要は前回記事にまとめたので、今回は各コンビについて纏めておこう。

1.初出場組

2020・2021と連続で最終決戦に残ったのは常連組や過去に出場したコンビが並び、初出場組の成績は奮わず辛酸をなめた格好となる。

しかしそんな常連組を押しのけ決勝の舞台に駒を進めた5組。
過去の実績から言っても半数が初出場からの優勝だ。
無名の芸人が全国に名を轟かせてくれ。

・男性ブランコ(2011年結成 吉本興業)

 私の中で昨年は優勝の優勝は男性ブランコ。敗者復活の「旅館」はそう言い切れるほどのネタだった。
 KOM準優勝の実績もあり、非常に上質なコント漫才を繰り広げる。わかりやすく切れ味のあるツッコミ、置き去りにしない心地よいペースに観客が引き込まれること請け合いだ。
 あの漫才から最終決戦での準決勝のあのネタ。と振り幅が決まれば優勝も見えてくる。

・ダイヤモンド(2017年目結成 吉本興業)

 「麒麟枠」という言葉はもう死語なのかもしれないが、ノーシード唯一のファイナリスト。これまで4年連続準々決勝進出と高い水準を維持していたが、今年初の準決勝から一気に突き破り決勝の舞台へ。
 昨年の「紙幣」の漫才は腹を抱えて笑った記憶がある。独特な発想のネタとボケツッコミが印象的だったが、今年はスタイルを一新したのが好転した。
 それからボケの野沢輸出のトレードマークだった白黒ストライプのスーツはネクタイの柄のみにチェンジ。目が散らず非常にいい選択だと思う。奇抜なネタの王者は数あれど、奇抜な衣装で優勝したコンビはいないのだ。


・カベポスター(2014年結成 吉本興業)

 3月にytb漫才新人賞で優勝。そして7月にABCお笑いグランプリを2年連続準優勝から今年悲願の優勝。今年一番波に乗っているコンビと言っていいかもしれない。台本の強さなら頭ひとつ抜けている。
 関西っぽい会話の軽快さと関西っぽくない脱力感の融合が魅力。実力十分。ボケの大吾とツッコミの浜田、名前のカルマを背負った二人が王道のしゃべくりで頂きを狙う。

・キュウ(2013年結成 タイタン)

 個人的に一番好きで推しているコンビ。ようやくようやくの決勝進出。準決勝のネタも勝ち上がったコンビの中では一番笑った。
 なんと言ってもネタの世界観。テレビの前の視聴者が見たことのない世界が広がることだろう。スローテンポでジワジワと引き込み、気がつけばのめり込んで爆笑を掻っ攫う。スリムクラブを彷彿とさせる、M-1では少ないタイプの強者だ。
 そして二人の所作にも是非注目してほしい、立ち振る舞いがなんともスマートで美しい。
 また各回で別のネタを披露したことも強いネタが2本以上あることの証明だ。一本目で引き込んでさえしまえば、もう最終決戦もキュウワールドから抜け出せないことは間違いない。

・ヨネダ2000(2020年結成 吉本興業)

 最年少、2009年ハリセンボン以来の女性コンビ、漫才を封じられたthe w2022で準優勝。今大会再注目のコンビと言っていいだろう。
 見た目も中身も今大会で一番トリッキーなのは間違いない。爆発力で言えばNo.1だ。会場を巻き込む大爆発となるか、不発に終わるか。前者に転がりそうな予感がする。
 「漫才を塗り替えろ」このキャッチコピーはヨネダ2000のためにある。

2.連続出場組

 昨年のファイナリストがことごとく散っていった本大会。残ったのは敗者復活を含みわずか3組。それゆえに生き残った彼らには期待が寄せられる。
 一方で連続出場は昨年からの違いも見せ付けなければならない。当然返り咲きよりも記憶に新しく、審査の目線は厳しくなりそうだ。
 錦鯉に続き、2年連続出場から進化を見せて優勝を決めて欲しい。

・真空ジェシカ(2012年結成 2年連続)

 知人の界隈では安定優勝するのではないか、との声が多い。
 個人的には審査員をハメることができるか。という部分が危惧される。センス抜群であることは間違いないが、「漫才の技術が高い。」という採点にはならないのではないかという気がする。そんな素人の心配を嘲笑い、他を圧倒し優勝する姿を見せてほしい。

・ロングコートダディ(2009年結成 2年連続)

 賞レースで無類の強さを見せるロコディ。真空ジェシカに比べるとパターンにハマらないワクワク感がある。
 昨年の「肉うどん」巨人師匠はあんなにセンターマイクからは離れる必要の無いネタと評し、かなり納得した。マヂラブのようなネタじゃなくて、マイクの前でできるでしょ。ということはかなり説得力があった。
 この辺りを修正して漫才らしさを強めるのか、自分達の道を切り開いていくのか、初見の方には楽しみにして頂きたい。

3.返り咲き組

 過去の大会をみても返り咲きのコンビは極めて少ない。優勝に至ってはマヂカルラブリーの一組だけだ。(チュートリアルは返り咲き実績あるが連続出場からの優勝)
 なぜ返り咲きできたのか。仕上がったからに決まっている。そしてそれを認められたからこの舞台にカムバックできたのだ。何度も何度も返り咲く猶予はない。この舞台に立つのはこれで最後だ。

・さや香(2014年結成 吉本興業 5年ぶり2回目)

 5大会ぶり。決勝の舞台は遠く長く険しかった。(実例ではキングコング/タイムマシーン3号が6年、ハライチ/東京ダイナマイトが5年の4くみのみ)
 2017決勝で振るわなかったネタは今みてもあまり色褪せずむしろ今見た方が面白い先を走っていた漫才だったと思う。そして今年の準決勝。個人的にさや香を推しているわけではないのだが、これは決勝に行くだろうという抜けた仕上がりだった。彼らも昨今ボケツッコミを入れ替えてたスタイルチェンジが功を奏したように見える。5年ぶりまとめてリベンジだ。

・ウエストランド(2008年結成 タイタン 2年ぶり2回目)

 またこの二人を決勝で見れるとは思っていなかった。前回は親分の太田光からも「ウエストランドがM-1でなんの爪痕も残せなかった。」と冗談交じりにいじられた8位。審査員の松本人志からも「もっと毒を吐いてもよかった」と厳しめ採点。
 井口だからこそどんなに腐っても笑いに昇華される。河本という大荷物を背負い、イグチンランドの再演だ。そしてキュウとともにタイタンにトロフィーを持ち帰ろう。

4.敗者復活組

 例年通り、視聴者投票が続く限り敗者復活は人気投票いっていいだろう。一度負けた者たちの宿命でもあり、その点は割り切って考えてもいいと思う。一方で一度負けているのだから、強制的にトップバッターくらいのビハインドはあってもいいんじゃないかと思う。毎回言うがやるなら現地観覧投票にして欲しい。(最近、逆に敗者復活なのではなく、9組決めたから最後の1組はあんたら視聴者が決めていいよ。という運営側の思想なのかなとも思えてきた。)

 順当にいけばオズワルド、時点でミキが有力か。問題は2組が明確にコケた場合だ。

 個人的に応援しているのはまずシンクロニシティ。しかし寒空の下つぶやき漫才がはじけるのはかなり厳しそう。
 次いでななまがり、コント漫才ではなくコントの良さを丸々漫才に組み替えたような、一筋縄ではいかない熱量を感じる。
 ホットにはじけるとすればケビンス、THIS IS パンあたりが強そうか。
 令和ロマンもなぜストレートに決勝に行かなかったのかという声多数。
 かもめんたるとビスケットブラザースにはKOMとの2冠が期待される。特にかもめんたるは唯一生き残ったラストイヤー。1本でも多くあの純文学にも似た漫才を楽しみたい。

5.終わりに

私の3連単は下記の通り

本当にバイアスは度外視して選んだ。さや香と男性ブランコは一発は固いと予想。最終決戦では男性ブランコが切り口を変えてくると想定し2位とした。キュウは残れるかは未知数であるが、一本目でハマった場合は二本目に何をやっても絶対に笑いの沼から抜け出せないと思う。

 結果がわかるまで既に24時間を切っている。今からワクワクして、眠れそうにない。

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