材質勝負のご当地マグネット
ご当地マグネットの材質は基本的にポリレジン、金属、アクリル、木などが多く、そこに描くものにご当地感が表現されているわけですが、中には材質や材料そのものがご当地特有なマグネットもあります。分かりやすいのが、タイトル写真にもした「箱根」の寄木細工マグネット。
以下、ご当地材質/材料マグネットを紹介してみます。
「様々な樹木が持つ自然の色を活かし、それぞれ集めて精緻な幾何学模様を作り出す技術、それが箱根寄木細工です。」
「寄木細工とは、その名の通り「木を寄せ集めて」つくる工芸品のこと。江戸時代後期、当時の宿場町であった畑宿で寄木細工は生まれました。 畑宿の石川仁兵衛が、木の種類が豊富な箱根の山の特性に着目し、色や木目の違うさまざまな木を寄せ合わせてお盆や箱を作ったのが始まりだとされています。」
と公式サイトに書かれております。
箱根寄木細工では9系統の色を、27種類の木を組み合わせてブロック状とし、これを直接削り出したり(お盆、器)、シート状に削って平面に貼り付けたり(からくり箱)するそうですが、このマグネットは削り出しで作っているようです。
ただのキャラクターグッズのように見えますが、材料に広島名物カキの牡蠣殻を粉にしたものを混ぜ込んで作られているそうです。
むき身にするときの牡蠣殻って広島県で年間20万㎥発生するんですって。オリンピックサイズの50mプールが2,500㎥ですので、実に80杯分ですね。
「本県のかき養殖業にとって、かき殻対策は喫緊の課題となっており、かき殻の積極的な再利用や新たな用途の拡大を推進していく必要があります。」
成分は石灰石と同じ炭酸カルシウム。小さなマグネットにしてどれだけ削減に寄与するかはさておき、良い再利用策と言えそうです。
信楽焼(しがらきやき)は、滋賀県甲賀市信楽を中心に作られる陶器で日本六古窯のひとつに数えられます。狸の置物で有名ですが、こちらは信楽焼マグネットにしたもの。上は狸ですが、いったんキャラクター化された「信楽焼タヌキ」を信楽焼のマグネットにしたものです。
下は、甲賀忍者つながりで手裏剣を信楽焼のマグネットにしたものです。
タヌキさん、本来は下腹部にぶら下げた大きな金袋があり、それが金運を呼ぶ意味もあって大きな特徴のひとつなのに、キャラクターになるとき省略されていてちょっと悲しいけど時流。
上は額縁の中に火山灰が封じ込められた桜島風景マグネット。下は火山灰を材料にして造形された黒豚キャラクターのマグネットです。
火山灰も、街の清掃で集まってしまうやっかいなしろもの(黒色)ですが、さまざまな利用が行われている材料。
陶芸や魚の灰干し、ガラス製品や化粧品、溶岩の焼肉プレート。そして、ご当地マグネット。
これも鹿児島材料マグネットです。世界遺産の屋久島でしか取れない貴重な屋久杉を使っており、「2019かごしまの新特産品コンクール奨励賞受賞」作品だそうです。
現在、屋久杉は保護の観点で伐採が禁止されていますが、自然倒木の材料のみ利用されるのだそうです。
将棋の駒にはケヤキ、ツゲ(御蔵島/薩摩)、ツバキ、ホウノキ、カエデ、イタヤなどが使用されています。が、このマグネットは木の種類について特にうたわれていなかったので分かりません。「将棋の駒と同じ材質の木製マグネット」ということで。
材質が特徴的というか、材質を含め本物の金属缶のディテール再現にこだわった白い恋人缶マグネットです。
本物はこちら。
ポルトガルのリスボンは、アズレージョという装飾タイルが有名です。
これが、大航海時代にポルトガル統治下のマカオで普及したので、マカオもアズレージョで有名。タイルそのもののマグネットです。政府観光局も推しています。
タイルなので、材質は陶器(セラミック)です。
メキシコタイルです。 素焼きされたテラコッタに絵付けされますが、タラベラと呼ばれる幾何学図形だけではなく、1枚1枚が絵画のようになっているものがあるのも特徴。お土産用としてコースターになってたりもします。
このほか世界にはインド、モロッコなども装飾タイルが有名です。タイル全体では中国が最大の生産量を誇る模様です。
以上、写真で伝わるかどうかはともかく、マグネットの特徴的な材質について伝える試みでした。