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リエンジニアリングの定義

業務系改善の聖書「リエンジニアリング革命」を読むにあたって、リエンジニアリングとは何かを整理する。

リエンジニアリングとは、業務改善に即してざっくり言えば、今の環境に合わせた業務を行うこと。正確な定義としては、コスト、品質、サービス、スピードのような重大で現代的なパフォーマンス基準を劇的に改善するために、ビジネスプロセスを根本的に考え直して、抜本的にデザインし直すこと。キーワードとして、根本的、抜本的、劇的、プロセスを含みます。

根本的とは、なぜを問うこと。そもそもなぜこの業務があるのか根底にある暗黙のルールと前提が見えてくる。抜本的とは、既存の修繕ではなく再建である。劇的とは、改良を重ねる程度ではなく大飛躍を達成することである。プロセスとは、特にビジネスプロセスとは、インプットによって顧客に対して価値のあるアウトプットを生み出す行動の集合である。ほとんどの企業人は業務、仕事、人、組織構造に注目しているがプロセスには注目していない事が多い、個々のプロセスである業務に注目しがちで、プロセス全体に注意が払われることは少ない。

今まで、業務を単純な構造に細分化してスペシャリストを当てるという考え方が200年間、会社の組織デザインに影響を与えてきたが、現在は分業からプロセスを基礎とする考え方に転換が始まっている。リエンジニアリングの例として、P&Gとウォールマートにおける在庫管理プロセスが挙げられる。P&Gが多くの需要情報を持っているため、それに基づいてVMI倉庫(製造者管理在庫)という在庫管理手法を生み出した。

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