時計じかけのオレンジについて語る場を求めている

 「政治と野球の話はするな」という格言がある。理由は会話中にこの2つを話題にすると、確実に論争になるからとされる。人によっては、野球の会話はそんなに揉めないのでは、宗教の話題もマズイだろ等、いろいろ細かい部分で異なってくるが、会話で向かない話題があるということは衆目の一致するところと思う。その中で、好きな本という話題を他人と話すべきでない、と思うようになってきた。

 本には絵本から、小説、学術書、自己啓発書など様々なジャンルがある。これらの共通点は、紙とインクで構成されることぐらいしか思いつかない。小説に限ったとしても、多くの作家が多くの作品を世に出している。その中で個人が読める本は、ほんのごく僅かである。読んだ小説が他人と重なることは、ベストセラー小説でなければ、ほとんど無いように思う。そのような読んでない小説を、他人に話しても、他人から語られても、きっとつまらないことに違いない。

 私が好きな小説のなかに、アンソニー・バージェス著の「時計じかけのオレンジ」である(同じくキューブリックの映画も好きだ)。内容は暴行・恐喝・強姦に明け暮れる少年アレックスが、最新の治療で性格を矯正されて真人間になったものの、かえってトラブルに巻き込まれる、というものだ。悪趣味と言われてもしかたがないと思う内容だが、現代社会のあらゆるものを風刺したような描写が好きだ。

 ところが、内容を語れる人は、知人の中でいない。当たり前である。それでも、そんな深い内容について語り合える機会もたまにあってほしい。

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