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映画「PERFECT DAYS」

 カンヌ映画祭で役所広司が主演男優賞を受賞した映画である。それを理由に鑑賞した。監督はビム・ベンダース。最近は映画をAmazon PrimeやApple TVでタブレットでみることが多いのだが、今回は映画館で見た。見たのは2月中旬、場所は渋谷でみた。

 第一印象は「散文詩のように美しい作品」である。映画の舞台は東京・渋谷であって、公衆トイレの清掃員:平山の生活ルーチーンを描いている。すなわち、毎日がトイレの清掃である。平山に扮する役所広司が延々とトイレ掃除をする毎日を綴っている。

 ストーリーはない。なんの事件も起こらない。否、そうではない、毎日のように事件が起こる。それぞれが彼にとって小さな事件なのか大きな事件なのか、それはわからない。一つ一つの事件は繋がっていない。否、すべては平山につながっている。小さな事件を通して平山という人の像が結ばれていく。

 華やかな観光地・渋谷ではなく、生活の場としての渋谷を主人公の生活を通して描いているとも言える。渋谷の映画館でみたので、映画館までの道のりの風景と、映画の中にでてくる映像がつながり、帰り道は映画の中にはいってしまったかのような奇妙な気分になった。

 日々の日常がドラマなんだ。そんなメッセージを受け取った。

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