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#263 いわた書店のこと

いわた書の一万円選書に当選しました!
「は?何のこと?」という貴方のためにご説明します。

いわた書店とは、北海道にある街の小さな本屋さん。もちろん、個人経営です。
そして、「一万円選書」とはいわた書店独自のサービスでいわた書店のHPから以下に引用すると、


忙しくって本屋にいけない、最近同じような本ばかりで出会いが・・・
などなど読書難民のあなたの為に
社長の岩田がお薦めの本を約一万円分選んでお届けするというサービスです。
おかげさまで好評です!
2018年4月23日のプロフェッショナル仕事の流儀にとりあげていただきました。

この「一万円選書」は、読書好き、本好きの間で静かに広まり、今や受付を開始するやすぐに抽選枠が埋まってしまうほどの人気なのです。
不肖ワタクシ、今回幸運に恵まれ、2021年5月度の「一万円選書」に当選いたしました。

このサービスの概要・手順はというと、
まず、受付開始されたら(いわた書店のHP、あるいはSNS等で告知)、いわた書店のHPから申し込む。
厳正なる抽選の結果、当選者にメール等でお知らせが届く。この時、メールに添付されている「一万円選書カルテ」に書かれた質問に答えて、メールで返信または郵便で返送。
いわた書店の社長自ら一枚一枚のカルテと誠心誠意向き合い、カルテを書いた人に合わせ、およそ一万円の予算で本を選び、リストアップしてメールが届く。この時、本のリストだけでなく、社長から一人一人に言葉が添えられている(ここ大事)。
リストアップされた本たちを見た応募者が納得すると、金額を振り込む。この時、選書されたリストに既読の本があれば、その旨連絡して再度選書し直してもらう。
こうして一万円分の本たちが北海道のいわた書店から送られてくる、という誠にもってアナログというか、非効率的ビジネスというか、本好きにはたまらないサービスなのです。
それが故に、NHKのプロッフェショナル・仕事の流儀にも取り上げられたのだろう。

なぜ、この「一万円選書」というサービスがこれほど人気なのか?
まず、先に挙げたアナログなサービスである。という理由がある。
大規模チェーン店の本屋が幅を利かせる時代。個人経営の書店が生き残るっため、独自のサービスを生み出した。それは、非効率であるが故に大規模店舗は手を出さない。利益を上げることが至上命題である大規模店にはマネのできないサービスである。
では、本好きな人間にとってはどうか?
引用したHPの文章からも分かるとおり、「忙しくって本屋にいけない、最近同じような本ばかりで出会いがない」読書難民にとって、このサービスは魅力だ。
本当の本好き、読書好き(読書難民)は本との出会いを求めている。
もっと知りたい、もっと感動したい、新しい世界を見たい。
そんな欲求を本で満たそうとする人間はいつの時代にも存在する。
そうした個人レベルの欲求(ニーズ)に向き合い、ニーズを満たすビジネスモデルが「一万円選書」なのです。一人一人のニーズ(選書カルテ)を丁寧に読み込み、その人の潜在的欲求を満たすべく本を選んでゆく。
アナログなサービスである。しかし、本好きは基本的にアナログ人間ではないだろうか?
ウェブの閲覧履歴から割り出されたRecommendedアイテムより、小さな書店の社長が一冊一冊丁寧に選んでくれた本の方が愛おしく感じるのが、本好きの本性。
かく言う私も、選書カルテに回答し入金を済ませたところです。
実際にリストに書かれた本(約一万円分)が手元に届いたら、社長がメールで言っていた言葉をかみしめながら読んでみたいと思う。

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