【Wi-Fiの仕組み】「11b」にスーパーパワーを!IEEE802.11g
はい、こんにちは。前回記事からの続きです。サイバーセキュリティにおいて重要なテーマの一つである「無線LAN」の仕組みについてシリーズ記事でご紹介します。
前回は、IEEE802.11a以降の規格に採用されている変調方式「OFDM」についてお話ししました。複数の周波数帯を使って、干渉がなく、高密度に信号を送るための技術でしたね。
技術的に難しい内容なので詳しいことは説明できなかったのですが、その全体像を何となく知ることができました!
さて、今回は、IEEE802「11b」「11a」に続き、3つ目の規格「11g」についてご紹介します。「11b」「11a」は、1999年同時期に策定された兄弟的な規格でした。果たして、「11g」は、どう位置づけられるでしょうか?
早速いってみましょう!
IEEE802.11gの概要
なにはともあれ、「11g」の基本スペックを見てみましょう。
周波数帯: 2.4 GHz
伝送速度: 54 Mbpsまで
届く範囲: 典型的には35-100mくらいで室内を十分にカバー
この「11g」は、「11b」「11a」が策定された約4年後、2003年に策定されています。
「11b」のパワーアップ版だった
上のスペックを見て気づくことはありますか?そう、周波数帯が、2.4GHz帯で、「11b」と同じです。そして、伝送速度は、「11b」のそれ(11Mpbs)よりも高速になっています。
そうです。「11g」は「11b」のパワーアップ版なのです~!
「b」を180度前転させたら、「g」に見えませんか!?(「q」でしょ、というツッコミはさておき…)。とにかく、bを進化させたのがgだってことを頭に入れておきましょう!
「変調方式」が高速化のポイント
もう少し「11b」との違いに着目しましょう。
「11b」の変調方式は何だったでしょうか?そう、DSSS(Direct Sequence Spread Spectrum)でしたね。広い範囲の周波数帯を使って信号を送ります(過去記事で紹介しましたよ~)。
一方、「11g」はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を採用しました。これを使えば、高密度な高速な信号伝送ができます。これがパワーアップのポイントの一つです。
互換性もしっかり確保
ひとつ気になるのは、互換性の問題です。この対応について、ばっちりですよ~。
「11g」は、「11b」の機能をサポートしていますから、11gの端末が11bのネットワークに接続できます。
一方、11bは、11gの54Mbpsの高速通信には対応しませんが、11gのアクセスポイントにも接続することができます。
つまり、11gと11bの間には、上位互換性(11gの機器は11bの機能を全部使える)も下位互換性(11bの機器は11gの機能を一部使える)あると言えましょう。
ただし、両方の規格とも2.4GHz帯を使用しているので、同時に使用してしまうと干渉が起きやすくなります。これを避けるため、チャンネルの調整するといった対策が必要になります。
ところで、出遅れた「11a」はどこにいっちゃったんですかね。「11b」の片割れクンがさみしそうです…。
でも大丈夫です。次の規格「11n」が先行規格をみんなまとめて回収しますから!
はい、本日はここまで。今回は、11bの後継規格「11b」について紹介しました。
次回は、4番目の規格「11n」をご紹介しましょう!
では!
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