VPNのかたちは,この3種類!メリット・デメリットはどこある?
はい、こんにちは。公共回線をまるで専用線のように使う「VPN」の技術についてご紹介しております。
前回は、VPNの前提として、「専用線」とは何か?というお話しをしました。通信事業者から回線を借りることで、通信速度を保証できるし、セキュリティも高めることもできます。が、費用が高い、というお話でした。
ちなみに、専用線といっても、顧客ごとに専用の物理的なケーブルを設置するのではなく、多重化技術(時分割多重化TDMとか)によって、ケーブル(の芯線)の利用権の一部を割り当ててもらいます。私もずっと、「一人のお客のために何10kmもケーブルを設置するのって大変だな~」と思っていました…。皆さんも同じですか!?仲間ですねw。
で、今回は、VPNはそもそもVPNは何のためにあるのか?そして、どのような形態があるのか、を見ていくことにしましょう。
VPNの目的とは?
公共回線は、いい人も悪い人も混ざって利用しています。ここに自分の大事なデータを流して、遠くへ届けるのはリスクが伴います。
特に、情報セキュリティ3要素のうち、
機密性
完全性
が危険にさらされます。大事なデータが盗聴されるかもしれないし、改ざんされてしまうかもしれません。
なら、前述の専用線を使えばいいのですが、何しろ費用がかかります。
そこで登場するのが、VPN(Virtual Private Network)です。あたからも公共回線を、専用線であるかのごとく利用する技術です。これにより、上記の「機密性」と「完全性」を確保しつつ、公共回線を利用できるというわけです。
ようするに、VPNは、暗号化を行い「機密性」を確保しつつ、認証を行い「完全性」(真正性も、ですが)を確保できる技術と考えましょう!
VPNの形態は3種類
では、VPNにはどんな形態があるでしょうか?いろんな分類方法はあると思いますが、ここでは、3つに分類したいと思います。
インターネットVPN:
その何のごとく、伝送路として「インターネット」を使います。インターネットを利用できる環境なら、モバイル端末でもVPN接続できます。何しろ安いのが売りです。
が、VPN装置(ゲートウェイ)は、自分で設置しないといけませんし、帯域が保証されません。通信が遅くても仕方がないです。
IP-VPN:
IP-VPNは、通信事業者が提供する専用のネットワークを利用して、より制御されたネットワーク環境を利用できます。
主に、企業の拠点間の接続などに使うものです。インターネットVPNよりもセキュリティや信頼性は、帯域も保証できます。
VPN装置の設置は、通信事業者にお願いするのが基本です。費用は、インターネットVPN以上、専用線未満という感じです。場合によるでしょうけれども。
SSL-VPN:
SSL-VPNは、SSL/TLS技術を使用して、ユーザーが企業のネットワークに安全にアクセスできるようにします。
SSLは、OSIモデルの第4層(トランスポート層)と第5層(セッション層)で動作しますから、IP(第3層)の設定と分離して利用できます。
逆に言えば、アプリ単位でVPN接続となります。ライフラインに例えるなあ、インターネットVPNが「共同溝」、SSL-VPNは「専用溝」みたいな感じでしょうか。
はい、本日はここまで!今回は、VPNの目的とその形態についてご紹介しました。これで何となく、VPNの全体像が見えてきたでしょうか。
詳しい説明は次回以降にやりましょう!
では。
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