データ通信用のトンネルを2本作れ!IPsecのIKEフェーズ2
こんにちは!VPNの方式の一つ「IPsec」についてご紹介しております。前回は、通信開始手順の冒頭、「IKEフェーズ1」の概要についてお話ししました。
パラメータ(暗号化アルゴリズム、認証方式など)を交換
続いて制御用の鍵を共有
さらに暗号化された状態のもと相互に認証
するのでした。実際にはいろいろ複雑なのですが、IKEフェーズ1については、この3点だけ抑えればとりあえずいいでしょう。
そして、今回は、次のステップ「IKEフェーズ2」について、お話しします。このフェーズを完了させることで、次の「IPsecフェーズ」で実際にデータを送受信することができるようになります。
いったいどんな下準備をするのでしょうか?
さっそく行ってみましょう!
制御用トンネルで安全に手続き
IKEフェーズ2の話に入る前に、もうちょっと「IKEフェーズ1」の話を続けさせてください。
「IKEフェーズ1」の一番の目的はいったい何でしょうか。そうです、制御用の鍵を交換することです(IKEは「インターネット鍵交換」という意味ですからね)。
では、その暗号鍵で何をするかというと「制御用のトンネル」を作ります。この「トンネル」を通じてデータを送受信します。IPsecでは、このトンネルのことを「SA(Security Association)」と呼びます。
そして、IKEフェーズ1で作られる「制御用トンネル」のことを特に、「ISAKMP(アイサキャンプ) SA」といいます。このトンネル一つで双方向な送受信が可能です。
しかし、覚えにくいな、この単語…。でも、覚えやすいよう分解してみましょう。
Internet(専用線でなく公衆回線を利用して、)
Security Association(IPsecでの「トンネル」を作って、)
and Key Managemet(鍵を管理する)
Protocol(取決め)
てな感じでしょうか。
このISAKMP SAを通じて、「IKEフェーズ2」では手続きを進めます。
データ送受信用のトンネルを2本作れ!
では、「IKEフェーズ2」は一体何を目的としてるのでしょうか。実際にデータを送受信するための暗号鍵を作り交換することです。
またしても、暗号鍵を作るんでね~。しかも、「上り用の暗号鍵」と「下り用の暗号鍵」の2種類を作ります。これらを使って、「IPsec SA」と呼ばれれるトンネルをそれぞれ作ります。
何ですって?という感じですね…。何で2本かといえば、それらのトンネルは、一方通行だからです(ISAKMP SAは双方向)。
かくして、IPsecでは、
制御用のトンネル(ISAKMP SA)「トンネルを作るためのトンネル」
上り用のトンネル(IPsec SA)「A→Bにデータを送るためのトンネル」
下り用のトンネル(IPsec SA)「B→Aにデータを送るためのトンネル」
の3本を使うのですね~。
ということで、IKEフェーズ2では、「暗号鍵を交換して、2本のトンネルを作る」ことがミッションであることが確認できました。
IKEフェーズ2の流れはこうだ
IKEフェーズ2での手順は、「クイックモード」と呼ばれる簡略化されたものです(これまでの「IKEフェーズ1」は、「メインモード」を前提にしています。「アグレッシブモード」というものもあります)。
絵にしましょう。
IKEフェーズ1と同じように、最初にパラメータを共有し、次に鍵交換(正確には鍵共有)を行っています。
すみません。もっと詳しく書きたかったのですが、勉強不足です…。
はい、本日はここまで!本日は、IKEフェーズ1をもう少し深く解説しつつ、IKEフェーズ2の解説をしました。次回は、紹介し損ねた、メインモードとアグレッシブモードの違いをご紹介しましょう。
では!
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