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RIPルーティングの全貌!シンプルだけど限界がある、その理由とは?
「シンプルすぎても、やっぱり限界があることってありますよね!?」
はい、こんにちは!松井真也です。シリーズ「基礎から分かる!ルーティング大全」第9回でございます。
前回は、ルーティングアルゴリズムの一つリンクステート型を紹介しました!ネットワーク内のルータで共通のトポロジー情報を共有して、効率的なルーティングを実現するのでした。さらなる詳細はOSPFの記事で紹介しますよ!
さて、今回は、ディスタンスベクタ型ルーティングプロトコルの代表格である「RIP」についてご紹介します。シンプルで分かりやすいディスタンスベクタ型アルゴリズムを使います。ただ、やはり課題があるのでした。現在では新しくネットワークを作るときには積極的に採用されません。
とはいえ、ルーティングの仕組みを理解する上で、避けて通れない学習内容となりますから、知っておくことにしましょう!
では、いってみましょう!
![](https://assets.st-note.com/img/1708546576839-Y1eQSyWzsg.png)
RIPとは何か?
RIPは、「Routing Information Protocol」の略です。ルーティングに必要な情報を扱うのですね。うん、分かりやすい略語です。
すでに少しご案内のとおり、IPネットワークで使われるルーティングプロトコルの一つです。このRIPを用いてルータ間で経路情報を交換され、経路決定されます。
ここまでOKですね。
アルゴリズムは「ディスタンスベクタ」
RIPでは、「ディスタンスベクタ型」というアルゴリズムを使います。すでに、概要を紹介済みですから、少し深掘りします。
これは、隣接するルータ間でルーティングテーブルを交換し合い、最短のホップ数で宛先に届く経路を決める仕組みです。
ホップ数とは、データが目的地に到達するまでに通過するルータの数のことでしたね。
![](https://assets.st-note.com/img/1708547343733-Q2IuL046AQ.png?width=1200)
では、クイズです。上の図で、ネットワークXにとって、ネットワークYにたどり着くためのホップ数はいくらでしょう?そう、3ですね。
RIPのいいところは、計算量が少なくて、性能が低い機器でも使えることなどにあります。加えて、比較的単純なため、管理や設定もしやすいんです。
しかし、ホップ数を頼りに経路計算して帯域幅などを考慮しないことに問題があります。
例えば、下の図では、ネットワークXからネットワークYにデータを伝送するとき、ホップ数が少ないA→B→Cという経路が選ばれてしまいます。ホップ数が多くでもギガ回線であるA→D→E→Cの方がよさそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1708547769726-VIAa5Le8OH.png?width=1200)
加えて、経路が安定するまで時間がかかったり、ホップ数が15を超えると使えないという制限もあるんです。
RIPのバージョン
さて、RIPにはいくつかのバージョンがありますが、まずは最初の「RIPv1」から見てみましょう。
RIPv1は1988年に標準化されました。ルーティング情報の交換には、ブロードキャストを使用します。これでは、通信量が多くなりがちです。
また、ネットワークの分割もクラス単位に限られていました。サブネットマスクを用いず、IPv4のクラスA,B,Cの単位で分割したネットワーク間でルーティングを実現します(クラスフルなアドレッシングにもとづくネットワークでは、第1オクテットを見れば、ネットワーク部が第何オクテット目までかを判別できます)。
これを「クラスフルルーティング」といいます。確かに、クラスフルアドレッシングは、ネットワークを簡単に分類できるという利点があります。
しかし、サブネットが作れないという柔軟性の欠如やIPアドレスの無駄遣いといった問題が起きてしまいます…。現代のインターネットでは、サブネットを作るため、より柔軟なクラスレスアドレッシングが主流です。
時代とともに、これではちょっと物足りなくなってきたんですね。
RIPv2の改良点
1998年に登場した「RIPv2」は、RIPv1の課題を解決するために開発されました。
RIPv2の大きな改善点は、マルチキャストを使った通信量の削減と、可変長サブネットマスク(VLSM)への対応です。
ちょうど上記の問題を解決するバージョンアップだったんですね。さらに、機器間の認証機能も追加され、セキュリティ面でも強化されました。パスワードが一致していないアドバタイズ情報をルーティング情報として反映しません。
これにより、アドレスクラスに関わらずより柔軟で、より安全なルーティングが可能になったんです。
次世代RIPと代替技術
最後に、RIPngについて考えてみましょう。1997年には、IPv6に対応した「RIPng」も登場しました。
しかし、現在では他のルーティングプロトコルも多く、RIPの位置づけは少し変わってきています。例えば、OSPFなど、より高度なルーティングを必要とするネットワークでは、これらのプロトコルが選ばれるのが通常です。
とはいえ、RIPはそのシンプルさから、まだ多くのネットワークで使われているようです。特に、小規模なネットワークや単純な設定で済ませたい場合には、RIPが便利なのでしょう。
はい、本日はここまで今回はRIPというルーティングプロトコルをご紹介しました。
次回は、もうひとつのIGPである「OSPF」をご紹介します!
では!
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