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ウェブ会議ツール「Around」(2):すべての参加者が平等になる

今、話題になっているウェブ会議ツール「Around」について、ご紹介する2つ目の記事です。前回の記事では、「Around」のカメラ映像に関する機能についてご紹介しました。

カメラ映像が丸くトリミングされ最低限の背景しか表示されないこと、カメラ映像にフィルターをかけられることにより、ノーメイクや顔色や服装が過度に露わにならないことをお話ししました。これだけでも大きな特徴です。

今回紹介する2つの機能は、リアル環境とオンライン環境を最適化する「それ欲しかった!」という機能です。早速見ていきましょう!

1.みんなで集まってもハウリングしない

一つ目は、ユーザーがそれぞれのノートパソコンを持ち込んで快適にウェブ会議に参加できる機能です。

リアル環境でユーザーが集まったとき、どのようにオンライン会議をしますか。ハウリングを避けるために一台だけネットに接続し、スピーカフォンで話しているというのが実情ではないでしょうか。そうすると、自分でパソコンを操作できないもどかしさと非効率が気になりますね。

「Around」では、ユーザーごとにノートPCを持ち込んで同時にマイクをオンにしてもハウリングしないのです。結果としてスピーカーフォン不要になり、自分の顔をきちんと表示しつつ、自分でも画面共有でき、共同編集でき、会議に参加しながら関連する作業もできることになります。これは大きい。

会議室に集まってウェブ会議。。。ろくなことがありません。この手持ち無沙汰感、参加意識の低下、席配置への配慮。。。これらが解消できる優れた機能です。

2.会議室にいる人まで平等に表示

二つ目は、会議室へ(やむなく)集まった場合でも、「Around」上では、ユーザーが平等に表示させる機能です。どういうことでしょう?

写真を、Aroundのウェブサイトより引用させていただきます。下は典型的なウェブ会議例ですね。左上は、会議室で参加し、右上と下は自分のパソコンから参加しています。

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会議室に集まって一つのカメラでユーザーが映っているとします(一部のユーザーがやむなく画角外というのもよくありますが)。そうすると、Aroundの機能で、それぞれのユーザーを顔認識して、顔周辺を丸くトリミングして、それを平等にレイアウトしてくれます。こんな感じです。まじか!

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本来ユーザーは、会議に平等に参加すべきです。しかし、ウェブ会議の環境の制約により、不平等な参加となることを仕方がないと受け止めてきました。それを覆す機能です!そんなことできるんですか!

実際は、会議室に置くウェブカメラは、解像度が高く、画角が広いものを選ばないとうまく表示されないかもしれませんが、会議室にいるメンバーまで平等に表示しようと考えた発想がすごい。

プライバシーを守る優しさと平等な会議参加

以上、前回の記事を含めて、ウェブ会議サービスの新鋭「Around」の優れた機能4つについて紹介しました。ここで総括すると、この「Around」の特徴としては、最低限の背景表示やフィルター機能により、プライバシーへの配慮が優れていることが挙げられます。もう一つは、今回紹介した機能のように、ユーザー一人一人が平等に参加できることにより、生産性の向上も期待できることが挙げられます。なるほど、これは話題になりますね。

他社追随か、買収か

さて、今後の動向を想像しましょう。王者Zoomなどの強者はどうでてくるでしょうか。ランチェスター戦略をひいてくるまでもなく、強者は弱者(Around)の機能を実装することで、弱者の優位性を潰しにかかるでしょう。Aroundの優れた機能の実装が易しいならば、他の会議サービスも似たような機能が実装されるかもしれません。でも、もし実装が難しいなら、、、Aroundは買収されるかもしれない、というところでしょうか。あくまで想像です。実際に、業界の動向は検証していません。

もう一つ気になるのがわが国での利用です。Aroundは、ユーザーがますます平等に参加できる機能、遊びごころのある機能が備わっています。50代のおじさまが支配する我が国のビジネスシーンで受けるかどうかは、正直、懐疑的です。ウェブ会議でも会議室に集まることを主張していた役職ある方たちが、ウェブ会議でもわざわざ平等に扱われる機能を喜ぶでしょうか?

ということで、今後のウェブ会議サービスの動向にも目が離せません!

では、ビーダゼーン!

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