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ヨーロッパからの講演のリラックス感がよかった

以前、国際シンポジウムの配信を担当していたときの面白い体験の話をします。まず、日本で国際シンポジウムは、基本的に午後に開催します。

なぜでしょうか?

そう、ご明察のとおり、時差の問題です。

日本は時間が進んでいる国

東アジア、東南アジア圏以外、例えば、ヨーロッパやアメリカにいる方も参加者として含まれるようなオンライン会議の場合、時差への配慮が必要になります。例えば、日本で14時に開催すればフランスでは午前6時(日本マイナス8時間)、ニューヨークでは午前0時(日本マイナス14時間)となります。早朝と深夜、、、かろうじて対応してもらえる時間帯です。

国際シンポジウムとはいえ、日本で開催するものは、ほとんど参加者は日本人です。このため、日本時間での開催時間をあまり後ろ倒しにもできません。海外の講演者の時差を踏まえて、登壇する順番を作らないと、とんでもない時間に講演いただくことになります。ライブのプレゼンを引き受けてもらえないときは、収録配信になりますが、質疑応答が無くてさみしいです…。

早朝の講演で講演者が、、食べていた

さて、ヨーロッパ(どこの国か忘れました)の講演者が、このシンポジウムで講演するセッションがありました。先方は朝の6時台です。早朝もいいところです…。こんな時間に講演をやっていただくというのは大変心苦しいのですが、どうやら快く引き受けてくれてくださいました。ただ、時間が時間ですので、彼は自宅からログインをして講演すことにしました。

挨拶の一言目は、「いやあ、こっちは朝早いんだよ~」というような会話から始まりました。そして、頭はボサボサ。仕方ないですよね。ところがそれだけではない。

なんと彼は、朝ごはんを食べながらの講演をしていました!科学者による研究成果に関する講演ですよ…。これまで、飲食しながら講演をやるなんて聞いたことがない!(まあ、ランチセッションみたいなものは存在していたと思いますが)。

でも、正直に言って、このカジュアルな感じが私はとても気に入りました。あまり偏った一般化は好きではないですが、日本人は堅苦しい会議が多いです。「もっとリラックスしてもいいのにね」、と思うことがあるのですが、それがヨーロッパの研究者が形にしてやってくました。

コロナ禍で、オンライン会議は爆発的に増えました。そのおかげで、会議やセミナーが以前よりもカジュアルな雰囲気になりました。テレワークの出席者は、わりとドレスダウンしていますよね。私も、大事な会議で、マグでコーヒーを飲みながら出席するということが時々あります(控え目にではありますが)。会議中だって水分補給したいじゃないですか。それができるような雰囲気が出てきたことを私は前向きに受け止めています。

ほっこりする経験を通じて、少しいい世の中になったかなと思ったのでした。

では、ビーダゼーン!


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