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【Wi-Fiの仕組み】チャネルを束ねて高速化:「チャネルボンディング」とは?

はい、こんにちは。前回記事からの続きです。サイバーセキュリティにおいて重要なテーマの一つである「無線LAN」の仕組みについてシリーズ記事でご紹介します。

前回は、無線LAN第4の規格「IEEE802.11n」の概要をご紹介しました。先行の3つの規格(b、a、g)と互換性があり、伝送速度が桁違いに向上した規格でした。そして、高速化と安定化のカギとなった技術の一つが「MIMO」でした。別の信号を同時に送るスゴイ技術でしたね。

さて、今回は、IEEE802.11nの続きを書きます。IEEE802.11nで新たに利用された技術は、MIMOだけではありません。別の技術として、「チャネルボンディング」というものがあります。このチャネルボンディングも伝送速度の向上に寄与します。いったいどんな技術でしょう?

ということで、「チャネルボンディング」を見ていきましょう!

小川を合流させれば速くなる

チャネルボンディングとは、簡単にいうと、「複数のチャネルを一つにまとめて通信することで、高速化を図る技術」です。

ボンディング(Bonding)とは、「束ねる」という意味です。まあ、文字通りですね。

例えていうなら、いくつかの隣り合う小川を合流させて、一つの大きな川を作るようなものですかね。あるいは…複数の隣り合う道を同時に進めるようにして速く物資を届けられるようにするようなものです。

この「同時に進める」というのがミソで、これによりデータが高速に効率的に送れるようになります。

だいたいイメージはつかめましたね。

OFDMと別の発想だった

もう少し掘り下げましょうか。

無線LANの一つのチャネル幅は、「20MHz」です。この一つの狭いチャネルの中に、何とか複数の波(サブキャリア)をお互い邪魔しないように流せるようにしたのが、そう、OFDMです。以前紹介しましたね~。

チャネルボンディングでは発想を変えて、「同じ相手の通信にお隣りチャネルも束ねちまえ」という技術です。

2チャネルをボンディングすれば「40MHz」、4チャネルをボンディングすれば「80MHz」のチャネル幅になります。11nでは「40MHz」までですが。

確かに速くなりそうだ。

干渉が発生しやすくなる

では、チャネルボンディングに、何かデメリットはないでしょうか?

実は、周囲に多くの無線LAN機器があるようなところでは、干渉の影響を受けやすくなります

ですから、チャネルボンディングを積極的に使えばいつだって伝送速度が上がるわけではありません。

利用にあたっては、周辺の無線LANの利用状況などを調べて、さらにさらにチャネルボンディングしたときに通信速度が上がるか検証しなければいけません。意外と綿密な準備とモニタリングが必要なんですね。

アクセスポイントや無線LANの利用端末が多いところでは、ボンディングするチャネル数を抑える方がよい場合もあります。



はい、本日はここまで。今回は、11n以降の高速化技術の一つ、「チャネルボンディング」についてお話ししました。

次回は、5番目の無線LAN規格「11ac」についてお話ししましょう。

では!



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