端末~端末まで!データを暗号化して安全に送信:VPNトランスポートモード
はい、こんにちは!専用線のごとく通信をする技術「VPN」について、連続記事でご紹介してます!
前回は、VPNのプロトコルにはどんなものがあるか紹介しました。
IPsec、PPTP、L2TPの3つだけ解説しましたが、なかでもIPsecが重要でした。
ということで、これ以降、IPsecで使われる技術についてお話ししてまいります!
今回は、IPsecにおける2つの動作モード「トランスポートモード」と「トンネルモード」のうち、「トランスポートモード」を解説します。両方とも「ト」で始まり、名称が何となく似ているので混同しがちです(私だけ?)。これを機に、違いを整理させていただきます!
では、いってみましょう!
ペイロードだけ暗号化
トランポートモード(Transport Mode)では、送信する端末が自分でデータを暗号化します。そして、その送信データは、相手の端末に届くまでのすべての伝送路で暗号化されます。
絵にしましょうか。
このようにエンド・ツー・エンドで暗号化されるのが、トランポートモードの特徴です。IPsecの「端末間バージョン」だと思えばいいでしょう。
では、何を暗号化するのでしょう。IPsecは第3層(ネットワーク層)のプトロコルですから、IPパケットが暗号化対象です。ただし、そのうち、ペイロードだけを暗号化して送ります。
デメリットは?
しかし、デメリットがあります。
1)IPヘッダが見えてしまう
経路の最初から最後まで暗号化されるということは、IPヘッダを暗号化して隠すことができないことを意味します。これを暗号したらデータを届けようがないですからね…。これにより、攻撃者にとって都合のよい情報を与えてしまう可能性があります。
2)追加のソフトウェアが必要
端末で暗号化・復号を行うということは、端末にVPN用のソフトウェアがインストールされている必要があります。管理する端末が少ないのならまだいいですが、多くなれば管理する手間が無視できません。
このようなデメリットもあり、IPsecをトランスポートモードで利用する場面は実際のところ少なくなります。代わりに、端末同士の安全な通信では、もっと気軽にブラウザベースで利用できるSSL-VPNが好まれます。
はい、本日はここまで。今回は、IPsecの動作モードのうち、トランスポートモードについてお話ししました。解説を書きながら、腹落ちしないところがたくさんあったので、もっと精進して詳しく丁寧な解説を書けるようにしたいです。
次回は、もう一つの動作モードにして、メインの使い方となる「トンネルモード」についてお話しします!
では!
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