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学習する組織へのカギは「共通言語」の獲得〜組織を科学する#4〜

今年のテーマは学習する組織。その中でも、「共通言語の獲得」について深堀りしていきたいと思います。組織が大きくなればなるほど、共通言語を獲得するハードルが高くなるので、仕組みや工夫が重要だと思っています。

組織の学習に個人の学習が必須だが、個人が学習すれば組織が学習するわけではない

大前提として、組織の学習には、個人の学習・成長が欠かせません。ヒトの成長が、細胞分裂や細胞の成長?によって起きているのと同じです。ミクロの世界で見れば、一人ひとりの人間成長によって組織は成長します。

が、個人が成長したからと言って必ずしも組織が成長しないのが面白いポイントです。

2000年代の読売ジャイアンツが、各球団の4番バッターを資金力で集めたものの、優勝を逃すケースがありました。高いスキルをもった選手が集まっても、それが機能するチームワークが発揮できなければ、成果が得られないということです。

それでは、組織が学習し、成長するとはなにか?

知識創造理論の中で使われるSECIモデルにヒントがあります。知識創造理論とは、経営学の権威である野中氏が提唱した理論で、組織の中に隠れた知識を見える化し、組織全体に取り込むことを表しています。

もう少し噛み砕くと、組織の中に「共通言語を獲得する」こと。それが、組織の成長であり、学習する組織のカギになるのです。

新たな言葉を定義し、共有することで組織は学ぶ

身近な例で言えば、"新しい生活様式" "3密" "ソーシャルディスタンス"のように、辞書には載っていないもしくは、辞書の意味とは異なる造語ですが、今ではほとんどの人が理解できる言葉になりました。

「ソーシャルディスタンスで!」と伝えれば、事細かに説明したりする必要はなく、瞬時に適切な行動がとれるようになる。確かに、毎回●●m距離を取りましょう。大声での会話は避けましょう。などを繰り返すのは非効率で、複雑。「ソーシャルディスタンス」のワンワードに集約してしまえば、非常に効率的に浸透できるのです。

トヨタの「カイゼン」もその1つで、「カイゼン」の中に重要なプロセスやアクションがすべて含まれていて、ふと思い出して実行したり、会議の中で「カイゼンは?」と投げかけることで、考えるべき方向に持っていくことも可能です。

つまり、共通言語の獲得と浸透が、組織の学習の肝だといえます。

ヒントは得たので、あとはアクションプラン

学習する組織のポイントである、共通言語の獲得に向けてのアクションプランを考えたいと思います。もしよろしければ、私の壁打ち相手も募集していますので、よろしくお願いします。