【詩】サイノデタメノヨウニタダヒトリオドル
明日をも知れぬ身。
ならば犀の角のように突き進む。
何が起こるかわからない娑婆世界。
ならば犀の角のように全てを貫き通そう。
生まれた時から鼻の先には角があった。
周りの犀たちの鼻先にも、聳え立つような角があった。
角は日々を過ごす中で少しずつ硬くなった。
周りの犀たちは、すでに己が道を突き進んでいた。
周りの犀たちがいなくなった頃、
初めて勇気を出した。
己が道を突き進むための勇気を。
そして、誰かを傷つけた。
そして、自分を傷つけた。
二度とは元に戻らぬ傷。
二