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普通学校か特別支援学校か3

今回は「普通学校か特別支援学校か2の続きです。


制度の壁

医療的ケア児を育てる親にとって制度の壁は高い。
現状では、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(以下、医療的ケア児支援法)が昨年に施行されたことにより、医療的ケア児の環境は以前よりよくなってきている。
とはいえ、まだまだ制度が整うのは時間がかかりそうだ。

とりわけ、障害や医療的ケアのある子どもを育てる親の育児と仕事の両立は難しい。
何とかしている親を何人も見てきたが、皆、深夜も仕事をしているようだ。
本当の意味で両立と言えるのかはわからないが、ギリギリのところで育児、家事、仕事をこなしていることがわかる。

特に、子どもの預け先の問題はまだまだ解決には程遠い現実がある。
保育園の待機児童問題はだいぶ解消されたようだが、医療的ケア児の受け入れは中々進まない。
私の場合は、自治体内で2箇所のみ受け入れを開始した。
さらに、受け入れ可能な医療的ケアは、経管栄養(経鼻、胃瘻)、喀痰吸引、導尿のみだ。
人工呼吸器や酸素といった医療的ケアには対応していない。

預け先がなければ仕事は休まざるを得ない。
現在の休業制度では、産休や育休だけでなく、介護休業を使うこともできる。
介護というと大人のイメージが強いが、子どもの介護でも可能だ。
ただし、要介護状態であること、通算93日、3回までの分割可能、というあくまで、働きながら介護の対応ができるようにする期間としての休業である。
つまり、休業中にサービスの契約などを済ませ、働きながら介護ができるようにする体制を整えるための休業である。
言うまでもないが、預け先がないから困っているのだ。

普通学校か特別支援学校かで選択を迷うとき、親は家庭の状況までを考えた選択をする。
しかし、教育委員会や学校は、そこまでのことを考えはしない。
子どもにとってどちらがいいか。
それを狭い視野でしか考えないのだ。
狭い視野というのは「より安全か」という視点である。
この「安全」というキーワードは、子どもにとっての安全と、教育委員会にとっての安全の両方の意味が込められる。
もちろん、教育委員会がそう考えているとは言わないが、そうとしか考えられないエピソードはいくつかある。

次回はそのことについて投稿しようと思う。

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